◆JERAセ・リーグ DeNA7―3巨人(17日・横浜)
ひと言で片付けると怒られるかもしれないが、DeNAには「勢い」があった。5回、メルセデスに一気に襲いかかった攻撃は見事だった。
メルセデスは投球の間合いが短い。抑えている時はそれでいいが、打たれ始めると「早くアウトを取りたい」という気持ちが強くなって“チェンジ・オブ・ペース”をなくしてしまう。DeNA打線はそこを突いた。好球必打。初球を打った桑原の適時打と楠本のスクイズ。メルセデスの特徴をよく捉えた攻撃と言えた。
こうなると、中継ぎの勝負だが、巨人は赤星、井上が2ランを打たれて万事休した。赤星はカーブをソトに打たれ、井上は高めのストレートを宮崎に運ばれた。
肝心なところでコントロールミスをして、投げてはいけない所に投げてしまう。新人投手とはそういうものだ。大城がそれを予測して、用心しながらリードしてやらなければいけない。「一発だけは打たれない」安全なリードがあったはずだ。
一方のDeNAは浜口に早めに見切りを付け、平田、入江とつないだ。2人とも昨年まではきゅうきゅうとしながら投げていた印象がある。何度も痛い目に遭った経験が今季の2人を作ったのだろう。赤星、井上にもこの日の失投の経験を土台にして、明日の投球につなげてもらいたい。(スポーツ報知評論家・堀内恒夫)