今泉健司五段、里見香奈女流五冠へ「初戦取れば合格率8割に届く」プロ棋士編入試験合格者がエール

スポーツ報知
プロ編入試験の経験談を語る今泉健司五段(カメラ・瀬戸 花音)

 将棋の里見香奈女流五冠(30)=清麗、女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=の女性初となるプロ棋士編入試験が18日から始まる。2005年に特例で実施され、瀬川晶司六段が合格。翌年、正式に制度化され、プロとなった今泉健司五段(49)がスポーツ報知の取材に応じ、自身の経験を踏まえ、里見へエールを送った。(瀬戸 花音)

 五番勝負のプロ編入試験で、今泉がポイントに挙げたのは第1局。「この一局のウェートがむちゃくちゃ重い。僕自身、ここを取れるかどうかで天と地の差があると思っていた」と振り返った。

 14年9月23日に行われた今泉の編入試験第1局の相手は、三段リーグで2戦2敗を喫していた宮本広志四段(当時)だった。「自分のやれることを腹決めてやろう」。覚悟を決めて臨み、見事勝利すると、3勝1敗で試験を突破した。

 今回の里見について「合格率は5割とみています」と予想するが、「初戦を取れば、合格率は8割に届くのでは。ものすごく大きな要因を占めると思う」。その相手は、今年度12勝1敗と絶好調の徳田拳士四段。「キャリア、経験は里見さんの方が上で差はあるが、能力に差はない」と分析する。

 今泉自身は7月にNHK杯将棋トーナメントで里見に勝利したが「里見さんは百戦錬磨、乗り越えてきたものを感じさせる圧がある。向かい合って戦った人にしかわからない怖さがある。怖いんです」と言い切る。「新四段の若い面々はプロ棋士として負けるわけにはいかないと思っている人もいるでしょうけど、もっとドライにとらえた方がいいと思います。そうじゃないと逆にボッコボコにされると思う。だって(里見は)強いんだから」

 8年前、今泉は「最後の挑戦」という思いで編入試験に挑んでいた。史上初の女性棋士誕生へ向けて、里見は7月の会見で「そういうことが珍しくないような社会になれば」と決意を見せていた。「今、この状態が里見香奈という棋士人生を歩んできた中で一番強い。どれだけの美辞麗句で語っても里見香奈は色あせない。女流棋士の枠を越えて、日本将棋連盟を背負って立つ人だと思う」。将棋界を変える戦いが始まる。

 ◆今泉 健司(いまいずみ・けんじ)1973年7月3日、愛知県豊橋市生まれ。49歳。小2で将棋を始め、中2で奨励会に。99年、年齢制限で退会。2007年、奨励会三段リーグに編入。09年、再び退会。14年7月、プロ公式戦で直近10勝4敗として編入試験受験資格を得る。同年12月に合格。師匠はテレビ番組の「株主優待生活」で話題の桐谷広人七段。

 ◆プロ棋士編入試験 通常、棋士になるには奨励会の三段リーグを突破する必要があるが、奨励会以外でも、編入試験によるプロ入りへの道が残されている。ただし、受験資格を得るには女流棋士、アマチュア枠のある公式戦に出場し、10勝以上かつ勝率6割5分以上の成績が必要と、非常に難関。2005年に特例で実施され、アマとして活躍した瀬川晶司六段が合格して翌年、正式に制度化された。これまでの受験者は2人で、今泉五段、折田四段ともプロとなった。

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