【特集・未来アスリート】陸上十種競技の大学王者、立命大・川元莉々輝、YouTubeで発信続けながらアスリート王を目指す

円盤投げの練習に取り組む川元。十種競技で世界を目指す(カメラ・岩田 大補)
円盤投げの練習に取り組む川元。十種競技で世界を目指す(カメラ・岩田 大補)

 十種競技の大学チャンピオン、立命大男子陸上競技部・川元莉々輝(21)が、インカレ2連覇を目指す。「走・跳・投」のすべてを競う過酷な競技の覇者は、世界にも目を向けている。

 初日に100メートル、走り幅跳び、砲丸投げ、走り高跳び、400メートルを競い、2日目に110メートル障害、円盤投げ、棒高跳び、やり投げ、1500メートルで合計得点を争う十種競技は、紀元前の古代オリンピックでも混成競技としての記録が残る。まさに身体の限界に挑戦するアスリート。川元は「1種類で競うスポーツと違って、10種目で戦えることが、実は僕には有利なんです。ひとつの種目に秀でるより、10種目で平均的な得点を積み重ねていけば、上位を狙えます」とクールに自己分析する。

 昨年、初めて大学日本一となった日本学生陸上競技対校選手権大会(インカレ)。その言葉通り十種目の中で、1位になった種目はなく、ほとんどが2位から5位くらいに集中する。「不得手な種目がないことが持ち味」という。「得点で最後の1500メートルが勝負になって(トップに)7秒離されなかったら優勝。食らいつきました」と、V候補と言われた田上駿(順天堂大)は途中棄権、生まれ育った兵庫・西宮市の時から近所に住み、関西でこの種目の先頭を走ってきた一昨年のインカレ優勝者、川上ヒデル(関学大)が欠場。有望選手が2人欠ける追い風も吹き、大きなタイトルをたぐり寄せた。

ユーチューブで対談した武井壮をまねて百獣の王のポーズ
ユーチューブで対談した武井壮をまねて百獣の王のポーズ

 西宮・学文中では走り高跳びをしたかったのに、顧問の勧めで四種競技(110メートル障害、砲丸投げ、走り高跳び、400メートル)を始めたのが縁だ。滝川二に進み八種競技(100メートル、走り幅跳び、砲丸投げ、400メートル、110メートル障害、やり投げ、走り幅跳び、1500メートル)に取り組んで、インターハイ8位。大学進学時は、幼いころから知る川上ヒデルが在籍する関学大も視野に入れたが、「伸び伸び練習できて、先輩・後輩の関係もいい。自分に一番合っている」という立命大に決め、そこで素質が開花。大輪の花を一気に咲かせた。

 実はユーチューバーとして、十種競技の魅力を発信している。これを見た企業から、サポートの機会を得ることもある。タレントで元十種競技の日本王者、武井壮とも対談した。登録者は約3300人。「日本ではどうしてもマイナーな競技でしょう。ヨーロッパでは数多くのプレーヤーと理解者がいる」と、練習がない日などを利用して編集し、すそ野の拡大にも努める。

たくさんのやりをチェック
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 5月、木南道孝記念陸上に出場した、日本の十種競技のレジェンドで2度の五輪、5度の世界選手権出場を誇る右代啓祐(うしろ・けいすけ、国士舘クラブ)と話をする機会に恵まれた。「今、勢いがあるんだから頑張りなさい」の言葉に感激。「世界で戦いたい」と目を輝かす。

 大きなターゲットは来年のユニバーシアードになるが、9月にはV2が掛かるインカレが待つ。「インカレ3連覇は聞いたことがないし、いい目標。昨年の7300点を超えられると思う。中学の時からあきらめなかったら、夢がかなってきたんです」を自信を見せた。世界から王者は「キング・オブ・アスリート」の称号を贈られる十種競技。川元がアスリート王を目指して、世界に飛び出す。

 ◆川元 莉々輝(かわもと・りりき)2001年6月11日、兵庫県生まれ。21歳。西宮・学文中から混成競技を始め、滝川二ではインターハイ出場。立命大2年生の昨年、インカレの十種競技で優勝した。ユーチューブの編集に加え、週に5回は自炊し栄養管理に努める。6月の日本選手権はひざを痛めて欠場。インカレで連覇を狙う。身長180センチ、体重78キロ。100メートルを10秒7で走る。立命大では食マネジメント学部に通う。

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