【第53回報知アユ釣り選手権・オーナーカップ決勝大会】谷口選手初優勝…岐阜・馬瀬川

スポーツ報知
念願の初優勝を果たした谷口選手

 「第53回報知アユ釣り選手権・オーナーカップ」決勝大会は5、6日に岐阜・馬瀬川で行われた。全国7河川での予選会を勝ち抜いた選手、歴代名人、シード権保有の歴代優勝者、推薦選手、シード選手の94人が出場。谷口(やぐち)輝生選手(44)=京都市右京区、TEAM FUKUDA、クラブかがやき=が決勝で辻行雄選手(69、関西友心会)を19―16で下し、初優勝を飾った。谷口選手は25日、福井・九頭竜川で小澤剛・第50期報知アユ釣り名人との名人戦に挑む。※成績はすべてオトリ2尾込み。

主催 報知新聞社

協賛 (株)オーナーばり

後援 下呂市

協力 馬瀬川上流漁業協同組合

 谷を渡る風が、勝者の頬を優しくなでた。表彰台のてっぺんで、日焼けした顔に笑みを浮かべた谷口選手。「(この大会で優勝することが)夢だった。でも、まだ実感がない」と息を整えながら喜びをかみしめた。

 下見ができず、ぶっつけ本番で臨んだことが功を奏した。大会前日(4日)に一日中、雨が降り続いたことで5日は状況が一変。入念に下見をした選手たちが「今まで釣れていた所で釣れなくなった」と戸惑う中、「先入観を持たずに釣れる場所を探って」1~3回戦を突破した。

 2日目の準々決勝では、序盤に大きなヒントをつかんだ。「竿を立ててフワッとオトリが浮いた瞬間に掛かった。これはナイロンが通用すると思った」。水中糸を高比重の複合メタルからナイロン0・15号に変更。極細ナイロンラインを使った得意の泳がせ釣りを駆使して準々決勝、準決勝を快勝した。

 別荘裏下流で行った辻選手との決勝では、ジャンケンで勝って前半は上流を選択。主に右岸のヘチを丹念に攻めて3尾リードで折り返すと、瀬の多い後半のエリアでも数を伸ばして逃げ切った。

 安曇川・朽木地区(滋賀県)でオトリ店「谷口天然活鮎店」を営む父・米生さん(75)の手ほどきを受け、10歳の頃に初めてアユ竿を握った。「掛かったときの引きが楽しくて」と友釣りに魅了され、めきめきと上達。「父親は(05年の第36回大会で)準優勝しているので、その記録を超えたかった」。初めて臨んだ決勝で栄冠をつかみ“恩返し”を果たしてみせた。

 さあ、次はアユ釣り界最高の座をかけて小澤剛名人と戦う。「できることをやるだけ。楽しもうと思う」。初優勝の勢いに乗って、更なる高みへ駆け上がるつもりだ。

 初の栄冠には届かなかったが、辻選手は晴れやかな表情を浮かべた。前回大会(19年)のベスト4を上回る準優勝。2日間の激闘を「本当に楽しかった。この歳(69歳)になって、最高です」と振り返った。

 3回戦でプレーオフを制し、決勝トーナメント進出。準決勝で前回覇者の廣岡選手に競り勝った。決勝は下流、右岸の瀬肩から。一進一退の攻防を繰り広げたが「過去を振り返ると、人の釣りが気になって自分の釣りができてないことがあった。今回は、人は人、自分は楽しもうと思って臨んだ」とマイペースを貫いた。

 敗因は「ジャンケンに負けたことかな。やっぱり上(流)を取らなアカンと思っとったから。頂点に立つにはツキもないと」。コロナ禍の2年間は主要大会が開催されず、プライベートでの釣りを堪能したという。「それはそれで良かった。ただ大会独特の雰囲気とか、それが楽しみで試合に出るわけだから」と、勝負師の横顔ものぞかせた。

 開会式では出場選手中、唯一の女性選手である白木栄美子選手(チーム鮎香)が「後悔のないよう、思い切りアユ釣りを楽しむことを誓います」と堂々の選手宣誓を行った。「めちゃくちゃ緊張しました。でも、かまなかったから100点です」。試合では8尾を釣り上げたものの、無念の1回戦敗退。「動くのが遅かった。でも楽しめました。初出場でいい経験ができました」と笑顔を見せていた。

 ◇試合形式 黒石えん堤から瑞穂橋の間で試合を行った。各ブロック1回戦は6位タイ、2回戦は3位タイ、3回戦は上位2選手(タイの場合は早掛けプレーオフで決定)が勝ち上がり。試合時間は原則的に各2時間。マンツーマンで行った決勝トーナメントは1時間で場所を交代。

 選手コメント 【第3位】

 小沢聡選手(現名人の兄は“兄弟決戦”を目指したが…)「夢でもあった試合、弟の“しっぽ”は見えたが、若い力に負けた。でも、最近振るわなかったので、まだまだできる、と自信になった」

 廣岡昭典選手(第50回大会覇者は“連覇”ならず)「前半、初めに入った場所はもっと数が出るポイントだったのに、そこでうまく伸ばせなかった。でも、長く釣りができて、勉強になった2日間だった」

 【ベスト8】

 高木優也選手「水温が上がったら釣れると思っていたけど、朝は厳しかった。初めて来たが、また来たいと思った」

 多禰(たね)守隆選手「ここまで勝ち上がれて最高。川の状態は分からないところもあったが、それなりに掛かった」

 川崎智仁選手「増水がきつくて前半は苦しんだ。最後はオトリの元気がなく、オモリを打っても反応がなかった。悔いの残る試合だった」

 島田雅司選手「前半に5回底バレしてしまった。後半に追加できなかった。川はきれいだし、ここはいつ来ても楽しい」

 小倉吉弘競技委員長「2日間とも好天に恵まれ、無事に大会ができたのでホッとしている。朝には掛からなかった場所でも昼には数が出たり、水位の高い時や低い時といった、いろいろな状況をうまく読んだ選手が、表彰台に立っているのではないかと思う」

 ◇ドリーム戦 3回戦までに敗退した57選手が2日目、来年の決勝大会シード権をかけて2時間戦い、木下英、渡邉一将、吉野正志、佐藤裕人の4選手が権利を獲得した。

 ◇寄贈 選手が釣ったアユの一部は、特別養護老人ホームなどの複合施設「社会福祉法人 高佳会 粋・いき馬瀬の元気館」(下呂市馬瀬惣島)に寄贈した。

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