三原舞依×宮原知子さん対談(下)三原「さっとんの存在が大きい」宮原さん「葛藤もすごくあった」本音トーク(完全版)

スポーツ報知
オンライン対談で笑顔を見せた三原舞依(右)と宮原知子さん

 フィギュアスケート女子で18年平昌五輪4位の宮原知子さん(24)が、現役選手にインタビューする「知子のRink.Linkトーク」がスタート。第1回目は四大陸選手権優勝の三原舞依(22)=シスメックス=が登場し、2回に分けて連載する。第2弾「下」では、それぞれへの思いや過去を振り返り、最後はお互いの未来へエールを送り合った。(取材・構成=高木恵、小林玲花、取材日2022年7月13日)

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 ―大会や練習などで、時間をともにすることも多かった2人。お互いの目にはどう映っていた?

 三原「さっとんは本当に、ザ・真面目で、尊敬するところばかり。小さい頃からさっとんを見習って、練習も『もっともっと!』って感じでやってきたので、ずっと尊敬しています」

 宮原さん「ありがとうございます。舞依ちゃんは、自分を知っているというか。調整や練習の仕方とか、そのときの自分に合わせてうまく計画立てている。本当に自分の状態をよく分かって、競技に向けて準備しているなというのが毎回印象的で、それを見習おうと毎回思っていました」

 ―宮原さんは、アイスショーでのグループナンバーの振り付けを覚える際、いつも三原を頼りにしていると?

 宮原さん「そうです。だからいつも舞依ちゃんのちょっと後ろくらいにいるのがベストなんです(笑い)」

 三原「いろんな人にそれ結構言われるんですけど(笑い)。『覚えないと覚えないと~』って思ってやっているので。ちょっと後ろで見て一緒にやってもらえるのも、ちょっとうれしいですし(笑い)。そういう思いを知って、『間違えないようにしないとな』っていうちょっと緊張感もあります(笑い)」

 宮原さん「プレッシャー(笑い)」

 ―2019―20年シーズン、三原は一度休養を取り、再び競技会に戻ってきた。その時の思いは?

 宮原さん「一番はやっぱり、戻ってきてくれてうれしかった。いろんな困難を乗り越えて、またさらに強くなって戻ってきたんだろうなと思って。一緒に戦っていたので、すごくいい刺激を受けていました」

 ―復帰後、試合会場で宮原さんの姿を見ると安心できた?

 三原「ほんとにその通りで。さっとんに会えた喜びと、一緒に試合に行けたり、同じ練習の場に立てたり。自分の中でも久しぶりの状態ではあったので、緊張はあったんですけど、さっとんがいてくれているっていうのが、心の支えになったし、すごく心強かったです」

 ―今までで、相手にかけてもらった言葉で、印象に残っていることや覚えていることは?

 宮原さん「私は、舞依ちゃんからの言葉っていうより、その日の自分の状態に合わせて試合から逆算して、今日はオフの日、今日はやる日とかっていうのを決めているんだなというのを会話で知って。『ああ、すごいな』って思いました。それが一番印象に残っています。私は『とりあえずやる』みたいになっちゃうときがあるんで(笑い)。それはもちろん体にとってもよくないし、そのときの状況によってやらないといけないときもあるけど、別にやらなくていいときに無理にやるっていうのは良くないし。無駄な努力になってしまうので、そこが自分のよくないところというか、悪い癖だったので、勉強になりました」

 三原「私は、(海外遠征後の)隔離期間のとき、状態がよくなくて、滑れない日もあったんですけど、さっとんに『練習行く?』って聞いたら、『行く』って言っていたので。どんな状況でも練習に打ち込むっていうその姿のかっこよさっていうのを感じていました」

 ―宮原さんが引退することを知ったときの思いは?

 三原「全日本が終わったあとくらいに、ちょっと悩んでいたというか。いろんな話をしている中で、さっとんの思いっていうのを知ることができていたし、さっとんが決めたことなので、進む道をすごく応援したいなというふうに思いました。プロスケーターになって、スターズオンアイス(アイスショー)のツアーでカナダ公演に参加するって知ったときも、『ああ、見に行きたい!』ってすぐに思いました。スターズオンアイスのリハーサルのときに結構大変なこともあったんですけど、さっとんがいたから一緒に乗り越えられたっていうのもあって。ほんとにさっとんっていう存在がすごく大きいなって思います」

 ―現在の日本女子スケート界において、22歳の三原は後輩たちを引っ張る立場になり、そして宮原さんは長年、日本の女子をけん引してきた。様々な経験を経て、自分自身やスケート界の変化について感じることは?

 三原「強化合宿(7月上旬・軽井沢)で、参加選手全員の中で、女子だけだと(年齢が)1番上ってことに気がついてしまって。同じリンクで、13歳の島田麻央ちゃんが、どこでもジャンプを跳んでいて、元気いっぱいで、『すごいな』って、ずっと拍手しちゃってたんですけど。ほんとに若い子がたくさん出てきてて、ジャンプもうまいし、すごい滑るし。『私も負けないように頑張らないと』っていうふうに思います。でも、中野園子先生からはいつも『舞依にしかできない表現、表情でプログラム全体を作ったらいい』と言われています」

 宮原さん「自分が10代の時は『27~8歳くらいまで頑張りたいな』って、ちょっと思ってたんですけど(笑い)。やっぱり、ジャンプの難易度もどんどん時代とともに上がってきて、体力的には頑張ったらもっといけるんだろうけど、精神的にきつい部分も出てきて、もう24歳で競技は辞めちゃったんですけど。体もそうですし、メンタルも、年齢が上がるにつれて、もっとやらないといけないけど、やれることは限られているし、体力も若い子とはやっぱり違うしって、葛藤がありました。辞めて思うことは、言葉で言うとすごい当たり前のことになっちゃうんですけど、やっぱり自分のそのときにできることを極めていく。もっと上のレベルを目指すのはもちろんなんですけど、『こんなんも出来ないの・・・』と追い詰めすぎずに、そのときにやれることを毎日やるのが大事なのかなって思います」

 ―最後は、新たな道へ進んでいくお互いにエールを。

 宮原さん「多分、シーズンが始まっちゃうとまた本当にあっという間だと思うんですけど、新しいプログラムも楽しみにしているので、舞依ちゃんらしく頑張ってください。テレビで応援しています!」

 三原「ありがとうございます!ファンタジーオンアイス(アイスショー)のときに、さっとんのまだお披露目していない新しいプログラムもちょっと見れたりしたので、すごいそれが楽しみ。本番でどんなさっとんの世界に引き込んでもらえるのかなって楽しみにしつつ、さっとんがこれから滑っていくプログラムの魅力もすごく楽しみです。でも体にはお気を付けて。さっとんの思い描く未来っていうのがすごく素敵なものになったらいいなと思っているので、応援しています。いつでも連絡をください!」

 宮原さん「こちらこそ、いつでも連絡、ライン待ってます!」

◆宮原 知子(みやはら・さとこ)1998年3月26日、京都府出身。24歳。関大卒。2011、12年全日本ジュニア優勝。15年世界選手権銀メダル。15、16年GPファイナル2位。16年2月の四大陸選手権で国際主要大会初優勝。全日本選手権は14~17年で4連覇。18年平昌五輪4位。21―22年シーズンを最後に現役引退。

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