あばよ。次元大介…小林清志さん、89歳で死去 昨年ルパン三世50周年を機に勇退

スポーツ報知
小林清志さん

 アニメ「ルパン三世」の次元大介役で親しまれた声優の小林清志(こばやし・きよし)さんが7月30日午前7時6分、肺炎のため自宅で死去していたことを8日、所属事務所が発表した。89歳だった。葬儀は近親者で行った。喪主は妻・芳江(よしえ)さん。後日お別れ会を開く予定。

 自らが半世紀にわたって演じた次元と同じく“男の美学”を貫いたかのように、小林さんが静かに逝った。所属事務所によると、通夜葬儀を身内のみで執り行ったのは、小林さんの意向だったという。

 渋みのある低音を武器に、ルパンの相棒で拳銃の早撃ちの名手・次元を好演。他のキャラクターの声優が変更されていく中、作品を支え続けた。2019年に死去した原作者のモンキー・パンチさん(享年81)のお別れ会では、「オレより若いくせに、先に逝きやがって。しょうがない先生だな。残念だ」と語ると「オレはまだ大丈夫だから。期待してくれ」と約束。次元の声を担当していく意思を見せていた。

 だが、21年に作品が50周年を迎えたことを機に勇退を発表。「我儘(わがまま)を言えば90歳までやっていたかったが残念。何とかかじりついていたかったが無理だった」と複雑な胸の内を明かした。一方で「ルパンは俺にとって一生ものの仕事であった。命をかけてきた」ともコメント。自らが思い描く次元を演じられなくなったことが、勇退を決断させたとも考えられる。

 “最後の次元”は、最新シリーズ「ルパン三世 PART6」の初回として昨年10月に放送された「EPISODE 0―時代―」。その後は石川五ェ門の初代声優・大塚周夫さん(15年死去、享年85)の長男・明夫(62)が継いだ。

 作品の中で何度も次元がルパンに向けて発した「俺はそろそろずらかるぜ。あばよ」のセリフ。その言葉を小林さんは、ファンに向けても残していったに違いない。

 ルパン三世・栗田貫一「ルパンが自由にできるようにいつもちょっと引いている次元。(ルパン役を)山田康雄さんから急きょ変わり、右も左もわからないモノマネしかできない私をいつもちょっと引いて(見ていて)下さっていた清志さん。次元として、いつもフォローしていただきルパンでいることができました。感謝しかありません」

 次元大介・大塚明夫「清志さん  お疲れさまでした。父・周夫の旅立ちではかなわなかったバトンの引き継ぎ清志さんからはしっかりと手渡していただけたこと、うれしく光栄に思います。清志さんが50年かけて育てた次元大介。大切に守り、やがて次の世代につなげていく所存です」

 石川五ェ門・浪川大輔「あまりに急なことに驚いていて、正直言葉が見つかりません。あのニヒルな笑顔が鮮明に頭に浮かびます。さりげない言葉と優しさにどれだけ救われたか。自分自身への厳しさとプライドにプロというものを教えていただきました」

 峰不二子・沢城みゆき「清志さんはいつもご自身と真剣勝負で、静かに燃えながらマイク前に立つ姿をこんなに鮮明に覚えているのに、もうご本人には会えないのかと思うと…本当に残念で、悲しいです。清志さん、もっとお話してみたかった気持ちがくすぶります。本当に最後までご自身を貫かれた姿は後続にはひどくプレッシャーです。寂しいです。ありがとうございました」

 銭形警部・山寺宏一「唯一無二の存在感に憧れ、ラジオ番組でロングインタビューをお願いした時には、声優の話はもちろん、翻訳の仕事をしていたことや趣味についても、若造の僕に対し優しく丁寧に話してくださいました。10年にわたり「ルパン三世」で共演させていただいた経験は、僕にとって最高の宝物です。次元と同じくダンディーで、仕事に対してストイックで、ご自分の美学を貫き通したお姿は本当にカッコ良かったです。コロナ禍ということもあり「次元お疲れ様会」ができず、直接ごあいさつができなかったことが残念でなりません」

 ◆小林 清志(こばやし・きよし)1933年1月11日、東京都生まれ。日大在学中に演劇を始め、劇団員を経て俳協(東京俳優生活協同組合)の創立メンバーとなる。30代から声優の仕事を開始。他の主な担当作品に「妖怪人間ベム」のベム、「巨人の星」のオズマ、米俳優トミー・リー・ジョーンズの吹き替えなど。2017年、「第11回声優アワード」で功労賞を受賞。

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