【甲子園】山田陽翔毎回の13奪三振で8回自責1 「京都国際・森下の分も頑張ろうと思った」

力投した近江・山田陽翔(カメラ・岩田 大補)
力投した近江・山田陽翔(カメラ・岩田 大補)
8回2死二塁、前田一輝を中飛に打ち取った近江・山田陽翔(左、カメラ・岩崎 龍一)
8回2死二塁、前田一輝を中飛に打ち取った近江・山田陽翔(左、カメラ・岩崎 龍一)

◆第104回全国高校野球選手権大会第2日 ▽1回戦 近江8―2鳴門(7日・甲子園)

 今春センバツ準優勝の近江(滋賀)が逆転で鳴門(徳島)を破り、初戦を突破した。先発したプロ注目右腕の山田陽翔投手(3年)は最速149キロの直球を軸に、毎回の13奪三振で8回2失点(自責1)に抑えた。アマ野球担当記者が山田を「見た」。

 山田は甲子園が似合う。改めて、そう感じた。7回に3者連続で3球三振を奪うなど、聖地11度目のマウンドで5度目の2ケタ奪三振。8回まで毎回奪三振で、滋賀県勢最多の13Kを奪い、4安打2失点に抑えた。NPBスカウトのスピードガンでは自己最速タイの149キロを計測。「目の前の打者ひとりひとりに投げていった結果」と納得の表情を浮かべた。

 マウンドでの鬼気迫る表情が印象的だった。1―1の2回2死三塁から味方の失策で勝ち越しを許した。エースとしてこれ以上の失点は許されない状況。マウンドから「落ち着け!」とナインにジャスチャーを送った右腕は140キロのツーシームで続く打者を空振り三振に斬った。淡々とベンチに引き揚げるその背中に頼もしさを感じた。

 打っても0―1の初回に中堅右へ同点二塁打。7回にも左中間二塁打を放った。昨夏ベスト4、今春センバツ準優勝と甲子園を沸かせてきた“二刀流”は、当然、今大会の注目選手。1―2の5回2死二塁、申告故意四球で勝負を避けられ、残念がる観客からはどよめきが起きた。

 エースで4番で主将。チームの柱は、「星野に経験させた方がいい」と左腕・星野世那に9回のマウンドを譲った。チームのことを考え、多賀章仁監督(62)の提案を快く受け入れた。6日、延長11回サヨナラ負けで初戦敗退となった京都国際のエースで、親交のある森下瑠大(3年)からは「頑張ってくれ」と連絡があり、「森下の分も頑張ろうと思った」。友のためにも日本一への思いを強くした。

 心優しき男は家族への感謝も忘れない。平日は毎朝5時台の電車に乗って朝練に向かい、帰宅も夜遅い。それでも父・斉(ひとし)さん(46)は「誕生日もLINEで『おめでとう』と。当たり前かもしれないが、朝もちゃんと『おはよう』と言ってくれる」。素直な性格から、幼少期から自然と周りに人が集まっていたといい、中学時代に選出された日本代表でもチームの中心だった。多賀監督も「心底日本一になりたいと思っている」と山田の向上心の高さに舌を巻く。高校最後の甲子園で“主役”になる姿を期待している。(南 樹広)

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8回2死二塁、前田一輝を中飛に打ち取った近江・山田陽翔(左、カメラ・岩崎 龍一)
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