◆JERAセ・リーグ ヤクルト2―3巨人(6日・神宮)
巨人がヤクルトに連勝。原辰徳監督(64)が史上10人目の監督通算1200勝目を挙げた。プロ初勝利を目指して先発した直江大輔投手(22)が5回に危険球で退場。嫌なムードの中、グレゴリー・ポランコ外野手(30)の2戦連発となる同点17号2ランなどで逆転した。
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大胆な相手のシフトをものともせず、ポランコは逆方向へ大きな飛球を打ち上げた。同点で迎えた8回1死三塁。ヤクルト内野陣は前進守備を敷き、なおかつ遊撃手・長岡が二塁ベースよりやや一塁ベース寄りに立ち、一、二塁間に内野3人を配置する“ポランコシフト”を敷いてきた。
それでも「まだ1アウトだったので、力まずにミートして飛ばすことを意識して打席に入りました」。1ボール1ストライクから高め直球を振り抜き、打球をシフトの関係ない左翼まで運んだ。三塁走者の増田大が生還し、勝ち越しに成功すると、両手を叩き、笑顔でベンチへと戻った。
流れを変えたのも、背番号23だった。2点を追う6回1死一塁。小沢の高めに浮いたスライダーを仕留め、右翼席へ17号2ラン。2本塁打を放った前日5日のリプレーかのようなアーチは「ボールがよく見える」という神宮での11戦7発目。メジャー時代はカージナルスの本拠地セントルイスが大好きな球場だったというが、日本でもパワースポットを手にした。これには原監督も「神宮の神様に守られているのかもしれないね」と目を細めた。
2戦連続の3打点でチームを3連勝に導き、指揮官に監督通算1200勝をプレゼント。調子が上がらない時には打撃について助言を授けてもらうなど、来日1年目の戦いを支えてくれる原監督について「めちゃくちゃ立派で偉大な方。いつも選手がベストを出せるように激励とかの言葉を頂いている」と感謝の思いは尽きない。それだけに「原さんの1200勝に少しでも貢献できたことを本当にうれしく思いますし、本当におめでとうございますと伝えたい」。メモリアル勝利を弾みに、一度打ち始めたら止まらない助っ人大砲が、チームの勢いをさらに加速させる。(後藤 亮太)