◆イースタン・リーグ 巨人2x―1ヤクルト(6日・ジャイアンツ)
腰痛(仙腸関節炎)で離脱中の巨人・坂本勇人内野手(33)が6日、イースタン・リーグ、ヤクルト戦(G球場)で1か月ぶりに実戦復帰した。「1番・DH」で出場し、2打数無安打も「DHという形でしたが、試合に出られて良かったです」。今後は守備を問題なくこなせる状態まで整え、1軍復帰を目指す。
温かいG党の拍手を浴びながら、坂本は打席に立った。患部の痛みを発症した7月6日のヤクルト戦(神宮)以来、ちょうど1か月ぶりの実戦。初回は右飛、3回は三ゴロで2打数無安打で復帰戦を終えたが「打つ方に関しては全然大丈夫です。DHという形でしたが、試合に出られて良かったです」。完全復活に向けた一歩を踏み出し、少しだけ安どの表情を浮かべた。
まずは打者として、実戦感覚を取り戻すことから着手した。守備練習ではまだ制限をかけた状態だが、打撃は7月7日に出場選手登録を抹消された2日後からティー打撃を再開するなど、時間を空けることなく続けてきた。それだけに「(試合は)久しぶりだったので感触というのはあまりないですが、練習ではいい形で打てています」。言葉通り、この日の試合前練習のフリー打撃では何度も左翼防球ネットを直撃する打球を放つなど、万全の状態に近づいていることを証明している。
あとは不安なく遊撃の守備をこなせることが1軍復帰への条件となる。ノックでは正面の打球を処理して一塁へ送球する一連の流れはこなしているものの、試合になれば前後左右、さまざまな打球が飛んでくる負担の大きなポジション。「あとは守備につけないとダメだと思うので、守備の部分で確認しなければいけないことがたくさんあります。守備の部分でしっかり確認してから、実戦の守備につけるようにやっていきたい」と見据えた。
7日も2軍戦にDHで出場する見通し。今季は開幕直前の左内腹斜筋筋損傷、5月の右膝内側側副じん帯損傷を含めて今回で3度の戦線離脱を経験。今までにないシーズンを過ごしているが、再び1軍の舞台で躍動する姿を誰もが心待ちにしている。(後藤 亮太)
◆今季の坂本
▽3月23日 開幕2日前に左内腹斜筋筋損傷で故障班に合流。高卒1年目の07年以来、15年ぶりに開幕1軍メンバーから外れた。
▽同27日 開幕3戦目の中日戦(東京D)でスピード復帰し、4打数4安打。
▽4月30日 阪神戦(東京D)の守備時に右膝負傷。
▽5月1日 右膝内側側副じん帯損傷で出場選手登録抹消。
▽同25日 プロアマ交流戦のテイ・エステック戦(G球場)で「3番・DH」で実戦復帰し2打数無安打。
▽6月7日 2軍ロッテ戦(同)に「3番・遊撃」で守備復帰。
▽同9日 西武戦(ベルーナD)に「5番・遊撃」で40日ぶりに1軍復帰。3安打で勝利に貢献。
▽7月6日 ヤクルト戦(東京D)で5回の打席で代打を送られて途中交代。
▽同7日 腰痛で出場選手登録抹消。
▽同16日 2軍日本ハム戦(G球場)出場予定も雨天中止となり最短での復帰は見送り。
▽同19日 体調不良者が複数出たため2軍ロッテ戦(同)が中止。その後、コロナ禍に見舞われ、チームは活動停止。
▽8月6日 2軍ヤクルト戦(同)に「1番・DH」で1か月ぶりに実戦復帰。