【金子恵美の本音】国葬是非 宗教問題…冷静に判断を

スポーツ報知
金子恵美氏

 安倍元総理が凶弾に倒れ、私は悲しみに暮れていました。戦後最長の任期を務め、多くの功績を残された総理大臣でした。世界で最も治安の良い国だと言われている日本でこのような悲劇が起きたことは今でも信じられません。そして今、さらに悲しいことは、日本が安倍総理にまつわることで二分されてしまっていることです。とりわけ国葬開催の是非について、私は賛成の立場ですが、反対派のロジックについても理解できないわけではありません。

 ただ一つ違和感を感じる反対意見は、元総理の功罪を問題であるとする論です。歴代の総理大臣の功績を政策ベースで判断し、国葬開催の是非とすることは果たしてどこまで可能なのでしょうか。国葬を執り行うかどうかを政策実績で評価することは極めて難しく、その指標は歴任した「期間」が平等で最もわかりやすいものでしょう。

 さて、現在は統一教会に関する報道一色になっていますが、ネット上では、安倍総理を銃撃した男へ賛美の声まで上がる始末です。今回の事件は紛れもなくテロ行為ですが、いつの間にか宗教批判につながり、宗教と政治の関係性についての議論になっています。これはあの犯人が望んだ通りの状況であり、まるで暴力を肯定してしまうような、危うい状況になっています。社会を巻き込んで問題提起をしたいと思ったときに暴力が有用であることを認めるようなことは絶対に避けなければなりません。

 社会問題化している団体への対応は別途考えるべきですが、冷静に、私たちは今何と向き合わなければならないのかを考える必要があります。同時に、今の日本社会には世代間や何かしらの社会環境において不平等で、生活困窮に追いやられ、絶望を抱えている人たちが多く存在しているということです。政治はこの声なき声に耳を傾け対峙(たいじ)していく必要があるでしょう。(元衆議院議員・金子恵美)

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