第104回全国高校野球選手権(甲子園)は、6日に開幕する。12年ぶり7度目出場の一関学院(岩手)は第3試合で京都国際と対戦する。約3か月前にアンダースローに転向し、県大会で好投した小野涼介投手(2年)と同大会で5番打者として打率6割9厘の成績を残した小野唯斗外野手(2年)が20年ぶりの甲子園初戦突破に向け活躍を誓った。
小野涼は県大会全6試合中4試合に登板(先発3回)し、24回2/3を2失点で優勝に貢献した。小学4年から野球を始めて最初はオーバースローで投球し、中学からサイドスローに転向。夏の県大会約2か月前の5月に高橋滋監督(49)から体の柔軟性を評価され「少し下から投球してみたら?」と言われアンダースローに転向していた。
最初は戸惑いこそあったがすぐになじんだ。元楽天で台湾プロ野球の中信兄弟に所属する牧田和久(37)や、西武・与座海人投手(26)の動画を参考に「足を上げてからの体重移動を特に見ていました」とフォームを習得。実戦で投げ始めると「ボールが下から上にいくのでバッターの打ち損じが多くなって投げやすくなった」と手応えをつかんだ。
盛岡中央との決勝こそ唯一の失点を喫し「高めと低めを使うピッチングをもう少しできれば」と課題も得た。初戦に向け「テンポのいい投球で、バッターを3球で追い込み、守備から流れをつくっていきたい」と意気込む。
攻撃では県大会で2本塁打を含む23打数14安打、打率6割9厘で12打点を叩き出した小野唯がけん引する。春季大会でスイングが大振りになったのを反省し「タイミングの取り方やバットの出し方を考えました」とコンパクトに振るように意識。改善し、好結果を出した打撃に「野球人生で一番調子がよかったです」と納得の表情を見せた。初の甲子園に向けては「自分らしく堂々とプレーしていきたい」と自信に満ちあふれた表情で活躍を誓う。
小野コンビで昨年4強に進出した京都国際のエース森下瑠大(3年)を攻略し、チームの目標ベスト8に導く。(山崎 賢人)