女子400M障害で日本選手権連覇中の立命大・山本亜美、王貞治さんの名言胸にパリ五輪を目指す

スポーツ報知
びわこくさつキャンパスのトラックで、跳躍の練習に取り組む立命大・山本亜美。パリ五輪出場を目指す(カメラ・岩田 大補)

 女子400メートル障害の全日本チャンピオン、立命大女子陸上競技部・山本亜美(20)が、夢いっぱいの未来図を描く。2年後のパリ五輪を目指して、陸上競技にもっと楽しく向き合い、さらなる高みを見据える。

 連覇の偉業がかかった6月の日本選手権。今年も苦しさが増す後半に強さを発揮し、ホームストレートで引き離してV2を達成した。56秒38の優勝タイムは日本歴代6位。「この1年で0・7秒速くなったけど、完ぺきとは思っていない」と冷静に振り返る。「走る技術、ハードルの技術がそろわないと、400メートルは戦えない。後半が強いと言われるけど、私自身は前半が弱いと感じています。(400メートルで10台ある)最初のハードルから5台目まで、力をもっと出し切れるようにしたい。まだ、速くなれると思います」と、課題をあげながらも自信を見せた。

 まだ2年生のトップアスリートは159センチ、48キロとハードル選手の中では小柄。しかし、走って跳躍する姿はとても大きく見える。「股(こ)関節がよく動くからかな。(小柄な)ハンデは自分では感じていません」という。母・亜紀子さん(50)も800メートルの元陸上選手で近畿の大会で名をはせた。「体力系というか、持久力を受け継いでいるのかな」と笑顔を見せた。

 滋賀・草津市の小学校時代はタグラグビー(身体の接触プレーを排除したボールゲーム)で走り回っていた。松原中で陸上競技を始め、3年時、中学の全国大会に出場したが、200メートルで準決勝敗退。転機が訪れたのは京都橘高2年になって、400メートルや400メートル障害に転向してからだ。「100や200メートルでは勝負できない。上を目指すには、競技人口の少ないハードルの方」と軌道修正して、その年(2019年)の国体、少年女子共通の部で早くも優勝した。

 「チームワークが重要なリレーで優勝したのを見て感動したし、自主性を重んじる厳しさを感じた」という立命大に進学。ハードルに取り組んでわずか3年で、日本の頂点を極めた。

 自宅のベッド横に、決して忘れない言葉を書き付けている。「努力は必ず報われる。もし報わなければ、それは努力とは言えない」―。これは小学校でのタグラグビーの恩師から授かった、世界のホームラン王、王貞治さん(現ソフトバンクホークス会長兼特別チームアドバイザー)の名言だ。「だから私には努力は苦ではないんです。自分がやろうと思ったら、何でもできる。限界を作らずに挑戦したい」と目を輝かせた。

 2024年のパリ五輪は、4年生で迎える。出場するには参加標準記録の55秒40をクリアするか、世界ランク40位以内に入るしかない。あと1秒の短縮。「できる気はします。でも、オリンピックは行きたいけど、それがすべてでもない。陸上をもっと楽しみ、良い成績を残して、チームの仲間と喜びを分かち合うことの方が大事です」と、前向きな姿勢で理想の姿を思い描く。

 「将来、もう一度、ラグビーもやってみたいな」と笑みをたたえる20歳の女王。無限の夢が広がっている。

 ◆山本 亜美(やまもと・あみ)2002年4月19日生まれ、20歳。滋賀県出身。草津市・松原中に進み、母と姉の影響で陸上競技を始める。京都橘高時代にハードルに転向した。立命大では400メートル障害のほか、リレーにも出場。同市内の自宅から通学しており、食事管理などがしっかりできるのも強み。昨年の全日本インカレは故障復帰後のレースで、チームに貢献できなかったため、9月のインカレで雪辱を期す。

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