【藤原義雄の南紀直送便】雷で2度の恐怖体験・・・すぐに避難を

スポーツ報知

 この季節、雷は特に怖い。逃げ場がない磯の上では、なおさらだ。今まで晴れていたのに突然、空が鉛色の雲に覆われてゴロゴロ、ドカーン! ラインがフワッと浮き上がり、竿を持つ手にビリビリときて思わず竿を投げ出した…。なんて体験を、釣り人なら味わった方もおられるだろう。

 私は2度、雷で死にそうになった。1度は、釣友と3人で串本大島の樫野で夜釣りを楽しんでいたときである。晴れて暑かったが突然、ヒンヤリする風が少し強く吹きだした。雨が降り出すと同時に稲光が走りゴロゴロと鳴りだした。雷雲はまだ遠く、音も小さかったので「心配ない」なんて言っていたら、急に頭上でゴロゴロ、ドカーン。竿を持つ手に電気が伝った。数秒後、暗がりが一気に明るくなり、同時に耳をつんざくような地響きがした。磯から50メートルぐらい離れた山の木に雷が落ちたのだ。もう、生きた心地がしなかった。

 2度目は少々、笑い話だ。釣友と3人で日置川の小房地区周辺でアユ釣りを楽しんでいたときのこと。ぼちぼち型のいいアユが掛かり、空は良く晴れていたが突然、雲行きが怪しくなってきて雨が降りだした。やがて冷たい風が吹き、遠くで稲光がしてゴロゴロ鳴りだした。30分もしないうちに頭上で光り始め、強烈な雷音が数回ドカーンと鳴った。竿を持つ手に強烈な電流がきて竿を放り投げた。「あかんぞ! 金具の付いた物は体から離せ」。全員、ベストと金具が付いているシャツを脱ぎ捨て上半身裸になり、車を止めている橋の下へ避難するため入川道をはうように進んだ。すると、前から竿を伸ばしたままブクブクの付いていない丸いオトリ缶を提げた“おいやん”が歩いてきた。「おまはんら、変な格好をして何しとんな」といぶかしがるので、「おいやん、雷が真上やで。竿を伸ばしてたらあかんで」と言うと「こんなんでビビってたらアユ掛けできんで」と笑われた。次の瞬間ピカッ、ドーンと地響きとともに強烈な音がして、すぐ後ろにある高い杉の木に雷が落ちた。我々を馬鹿にしていたおいやんは、竿もオトリ缶も投げ出し「死ぬぞ~」と我先に橋の下へ逃げた。

 雷は本当に怖い。この2度とも我々に落ちていてもなんら不思議ではない。できるだけ早く避難することを頭に入れておくべきだ。

 ◆藤原 義雄(ふじわら・よしお)1950年9月20日、徳島・鳴門市生まれ。71歳。21歳からグレ釣りを始め、数々のトーナメントで活躍。「ゼロスルスル釣法」の考案者。がまかつ、マルキユーなどメーカー数社のインストラクターを長年、務める。グレ闘友会会長。和歌山県白浜町で餌・釣具店「フィッシングベース海クン」を経営し、南紀の磯釣りに精通。プロ野球は大の巨人ファン。

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