◆JERAセ・リーグ 巨人3―6阪神(2日・東京ドーム)
コロナの影響で、阪神とリリーフの差を痛切に実感する一戦になったね。巨人のベンチ入りリリーフは7人。コロナ禍によって、前半戦で終盤に投げていた大勢、平内、今村、鍬原は不在だった。後ろから起用法を決める中、勝ちパターンを託せる投手が高梨とクロールしかいない。先発を1回でも長く―とメルセデスを引っ張ったけど、7回、今年の課題でもある尚輝(吉川)のエラーが痛かった。ゲッツーをとって3―2で逃げ切るしかない試合だったよ。
今のブルペン陣では、接戦で終盤のリリーフ勝負になるほどつらくなる。そんな中、2番手でイニングまたぎした高梨からは、さらに成長しようとする気概が見えた。左打者の内角をビシビシ攻めて、1回1/3をパーフェクト。登板したリリーフでは一人だけファイティングポーズをとれていた。他の投手にはぜひ、この姿を見習ってほしいね。
一方で、1点差の9回に登板した桜井は先頭打者に死球。この回の2点で試合は決まった。桜井のような中堅は、生きていくために今こそ変わった自分を見せないといけないんだ。チームが苦しい今やらないで、いつやるんだ―と「喝」だね。(スポーツ報知評論家・宮本和知)