【エルムS】デビュー12連敗から8連勝中のブラッティーキッドに中尾秀正師「成長のスピードが追いついてきた」

スポーツ報知
成長著しいブラッティーキッドの鼻面を頼もしげになでる中尾調教師

◆第27回エルムS・G3(8月7日、札幌競馬場・ダート1700メートル)

 古馬ダート路線の登竜門、第27回エルムS・G3(7日、札幌)は、報知杯大雪ハンデキャップで破竹の8連勝を成し遂げたブラッティーキッド(牡4歳、栗東・中尾厩舎)に注目だ。デビュー11連敗を喫して地方に本拠を移したが、移籍2戦目から5連勝と本格化し、6月の中央復帰後は無傷の3連勝。「悪ガキ」の急成長に目を細める中尾秀正調教師(55)=栗東=を、恩田諭記者が札幌競馬場で直撃した。

 ―前走の報知杯大雪ハンデキャップでは4番手から抜群の伸び脚で勝ち切りました。

 「頭数(10頭立て)も少なかったし、競馬しやすいだろうと思っていました。みんなが動き出した時の反応がいつもながらズブくて、どうなるかと思いましたけどね」

 ―地方(兵庫)からの5連勝を含めると8連勝。昨年4月の新潟デビューから12戦して未勝利と苦しみましたが、見事な変身です。

 「中央に帰ってきてからポン、ポン、ポンと勝ってくれて、ようやく馬の体力がついてきたのかなと思いました」

 ―地方を経験して、変わったところはありますか?

 「入厩当初は非常に馬が弱かったんですよね。体も緩くてスタミナがなかった。帰ってきた時も緩さはありましたけど、調教をやればどんどん(馬体の充実に)反映されていきました」

 ―軌道に乗ってきた要因は?

 「やっと他の馬に、成長のスピードが追いついてきた感じがします。(夏場の)季節も合っているんでしょう」

 ―中1週で臨みます。

 「使った後も反動はないみたいだし、元気はいいですね。(前走は)速い時計で競馬ができていますし、丈夫になってきました」

 ―前走時は函館で調整。前走後は札幌に残って調整しています。

 「輸送すると目方が減るんですよね。昨年も場所が替わったら、10キロ単位で馬体が減ったことがあるので。今の北海道はブラッティーキッドの成長曲線とマッチしていると思います」

 ―初めて見たときの印象はどうでしたか?

 「見た目はすごく良かった。ただ、調教が始まったら誰もいい評価をしてくれなかったです」

 ―レースぶりはもちろん、今は精神面でも成長を遂げていると思います。

 「昔はすごくやんちゃでしたね。無駄なことばかりやっていたし、すぐに立ち上がったりしていた。馬名は『悪ガキ』ですけど、名前通りのところがありました」

 ―オープン初戦が重賞。力試しの舞台ですね。

 「重賞などの高いレベルでは(勝負どころで)ギアを上げるところの差が出ると思います。上り調子で迎えますが、どれだけ上の方の馬との力の差が詰まっているか。まだ真剣に走っていない感じはあるし、もっと競馬が洗練されていったら、これから先も楽しみですよ」

「好きな馬はシンボリルドルフ」ファン目線も備える

 〈取材後記〉

 祖父、父が調教師だった競馬一族の中尾師は「生活の9割が馬ですね」と話す。そんな生活の中で最近興味を持っているのが動画共有サイト「You Tube」。ひろゆき氏の動画などを興味を持って見ているという。「はっきりものを言いますし、地上波ではない報道もあるからね」。55歳の年齢よりも若い印象があるトレーナーだ。

 好きな馬はシンボリルドルフ、トウカイテイオーの父子。トウカイテイオーは助手時代に関わったイブキマイカグラ(阪神3歳S1着、報知杯弥生賞1着)のライバルだったこともあり、印象に残る一頭。シンボリルドルフについては「(実際に見て)こんなきれいな馬が本当にいるんだなと思いましたよ」とファン目線も備えるトレーナー。次は、ブラッティーキッドが競馬ファンのお気に入りになるために一日一日汗を流していく。(恩田 諭)

 ◆中尾 秀正(なかお・ひでまさ)1966年12月6日、滋賀県出身。55歳。JRA競馬学校の厩務員課程を経て、父の中尾正厩舎で厩務員、助手を務めた。2002年に調教師免許を取得。祖父も元調教師の嘉蔵氏。07年に根岸Sをビッググラスで制し、重賞初勝利。ほかにも12年の阪急杯、12、13年のCBC賞を制したマジンプロスパーなどを管理した。JRA通算3943戦346勝(うち重賞4勝)。

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