【番記者の視点】4戦連発ならずも…神戸・大迫勇也に感じた「空気を醸し出せるエース」の凄み

スポーツ報知
神戸・大迫勇也

◆明治安田生命J1リーグ ▽第23節 柏 1-0 神戸(30日・ノエビアスタジアム神戸)

 神戸はホームで柏に0―1で惜敗し吉田孝行監督が就任後、5戦目で初黒星。暫定17位に順位を落とし、再び自動降格圏に転落した。

 1点を追う後半、スタジアムの空気が変わった。新天地デビューした元日本代表MF小林祐希が入ったことで攻撃にリズムが生まれたこともあるだろうが、1番は背番号10の姿が見えたことだった。FW大迫勇也への期待感で、会場がポジティブな雰囲気に包まれているような気がした。

 後半4分、敵陣ゴール前でこぼれ球を拾った大迫は右足でシュート。1分後、後方からのフィードに飛び出した元日本代表MF山口蛍のパスに右足で合わせたゴールは山口のオフサイドで取り消されたが、前半とは見違えるように攻撃陣は何度も相手ゴールを脅かした。最大の決定機は同41分。小林祐のコーナーキックにヘディングシュートを放ったが、ゴールわずか右に外れた。この日は最後まで1点が遠く、自身の連続ゴールは3でストップ。順位を見れば厳しい状況であることは明らかだが、つい1か月前まで充満していた悲壮感はあまり感じられなかった。

 空気を変えたのは、エースの存在が大きいとみている。大迫はこれまで「僕ら経験のある上の世代の選手が、ピッチでどういう振る舞いをするかは大事」と、感情を表現することの重みをたびたび口にしてきた。コンディションはいまだ万全ではなく、途中出場が続くなかで3戦連発。結果だけでなく、これでもかと気迫を前面に押し出しチームを鼓舞する姿を見ていると、自然と「大迫がいれば」と思えてくる。

 Jリーグや日本代表で、そう感じさせるストライカーはどれほどいるだろうか。4大会ぶり2度目の優勝で、森保ジャパンにとって初タイトルを獲得した東アジアE―1選手権では、湘南のFW町野修斗が3得点で名古屋MF相馬勇紀と並び得点王に輝いた。11月開幕のカタールW杯メンバー生き残りへ、ギラギラしたまなざしには勢いを感じたが、それがチームやスタジアム全体まで影響を及ぼすには経験、実績が必要になるのだろう。その意味で、今の大迫はまさしくエースストライカーだ。

 9月の欧州遠征、その先のW杯本大会に向けて状態が回復するかは不透明。それでも、時間限定であってもA代表で使う価値はある。醸し出される空気に触れて、改めて確信した。(種村 亮)

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