◆明治安田生命J1リーグ ▽第23節 横浜FM2―0鹿島(30日、日産ス)
首位の横浜Mはホームで2位の鹿島を2―0で下した。1―0の後半6分に日本代表MF岩田智輝(25)が昨季加入後の初得点。リーグ創設時から30年間唯一続く「オリジナル10」同士の戦いを制し、勝ち点差を8に広げた。
あふれる仲間への思いを、全員が体現した。1―0の後半6分、MF岩田は右足ミドルで鋭く突き刺した。昨季加入後初得点。「やっと取れて、うれしい。一緒に代表に行った亮くんが大けがをしてしまって…。亮くんの分までサッカーを楽しもうと、どんな形でもいいから絶対に勝とうと思っていた」。29日に右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の診断を発表した日本代表FW宮市亮(29)にもささげるゴールだった。
中断明けの首位攻防戦で、スコア以上の差を見せた。横浜Mから7人が招集されたE―1選手権の韓国戦(27日)で先発出場した岩田、西村も中2日でスタートからピッチに立ち、タフさを発揮。欠かさず励んだシュート練習がついに実を結んだ岩田は「すごく大きい勝利」と優勝へ前進する白星にうなずいた。
負傷発表後の29日に「這(は)い上がっていこうと思います」と復帰への決意を示した宮市に、サポーターは横断幕を掲出し、選手は宮市の17番のユニホームを着用。「亮 どんな時も 君は一人じゃない」とメッセージが記された。岩田は「何と言葉をかけていいかわからなかった」と明かしたが、「ピッチの外で最大限のことをしたい」と語る宮市とのタイトル獲得に向け、チームは今まで以上に団結した。宮市は試合後、仲間の元へ。「最高の試合をありがとうございました」と涙を浮かべて喜びを分かち合った。
代表帰りの選手の疲労も考えられたが、層の厚さも見せつけ、3試合ぶりの勝利を飾った。2位・鹿島から2006年以来となる同一シーズンでのリーグ2勝を奪い、勝ち点差は8に。岩田は「このチームの強さはみんなが一つになれること。1試合1試合全員で勝って進んでいきたい」と力を込める。最大8連戦をこなす夏のヤマ場がスタート。首位独走へ、結束力は増すばかりだ。(小口 瑞乃)
柏の日本代表FW細谷真大(まお、20)がリーグ出場6試合ぶりとなる今季7点目を決め、チームを3連勝に導いた。前半17分、センターライン付近でカウンターの起点となり、そのまま前進。「こぼれてくると思ったので、後は気持ちで押し込んだ」とゴールエリア左手前で左足を振り抜き、これが決勝点となった。
24日の東アジアE―1選手権・中国戦(0△0)でA代表デビューも、無得点とアピールできず。「また選ばれるように、ここで結果を残したいと思った」。守備でも奮闘し、後半30分までプレーした。
チームは暫定ながら、来季ACL出場圏内の3位に浮上。「ACLへ、何としても勝ち点3が必要だった。良かった」。さらにゴールを量産する。(小又 風花)