◆明治安田生命J1リーグ▽第23節 横浜FM2―0鹿島(30日、日産ス)
首位の横浜FMはホームで2位の鹿島を2―0で下し、勝ち点を8差に広げた。前半36分にFWエウベルが先制点を挙げると、後半6分に日本代表MF岩田智輝が昨季加入後初ゴール。E―1選手権に参加した日本代表に7選手を送り込むなど、疲労面も心配されたが、タフさと層の厚さを発揮し、3試合ぶりの勝利をつかんだ。
後半6分、岩田はFKのこぼれ球を右足ミドルで突き刺した。これまでの試合でも前線へ走り込むプレーを繰り返し、「得点」へのこだわりを示し続けてきた。なかなか決まらずに悔しさをにじませることも多かったが、ついにシュート練習の成果も実を結んだ。「今日は気持ちが入った試合。一緒に代表に行っていた亮くんが大けがをしてしまって。亮くんの分までサッカーを楽しもうと思っていたし、絶対勝とうと思っていた」と29日に右膝前十字靱帯断裂と診断されたことを発表したFW宮市亮への思いを語り、うなずいた。
首位攻防戦を制し、対鹿島としては16年ぶりのシーズンダブルを奪った。3気ぶり優勝に大きく前進。マスカット監督は「パフォーマンス、結果、ともに素晴らしかった。この2週間の準備は代表に行っていた選手もいた中で簡単ではなかった。宮市は大けがをしてしまった。残ってる選手たちも代表に行っていた選手も、90分間メンタルの強さを示してくれた。選手を誇りに思う」と振り返った。
また、指揮官は宮市についても言及。宮市とは代表から帰ってきた後にも個人的に話をしたという。「自分があれだけの大けがをしたにも関わらず、彼はチームのことだけを考えていた。言ってくれたのは、『自分は走って、ピッチの上に立つことはできないけど、外からチームに対して自分ができることは最大限したい』ということ。こんな性格の持ち主はなかなかいないし、チームのことだけを考えて行動しているし、そういう選手がいることはクラブとして誇りに思う」と話した。