◆明治安田生命J3リーグ ▽第19節 富山1-1いわき(30日、富山県総合運動公園陸上競技場)
5位のカターレ富山は、1-1で2位のいわきFCに引き分け、連勝は2でストップした。前半11分にDF林堂眞(32)が約55メートルのFKを直接、決めて先制。その後は防戦一方となり、後半42分に失点して追い付かれた。後半は、いわきのシュート数10本に対し、富山は0本。石崎信弘監督は「どうしても、1-0で勝っている心理が働いて、引き過ぎたところがあった。押し込まれる形が多くなり、最後にやられてしまった」と振り返った。
あっと驚く先制ゴールは、キック精度の高いDF林堂が決めた。右ハーフラインの後方5メートル付近からFKを得ると、林堂が豪快にロングキック。追い風に乗って大きな放物線を描き、前寄りに立った相手GKの頭上を越えてスルリとネットを揺らした。一瞬、シーンとした会場は沸き上がり、選手たちもベンチに駆け寄って大喜び。芸術的な一発で、2604人が訪れたスタンドを盛り上げた。
富山県でも急増しているコロナ禍に飲み込まれた。選手の間で新型コロナウイルスの陽性者が23日から続出。全選手33人のうち、28日まで11人の感染が判明した。保健所の指導を受けながら、Jリーグの規定により、試合は開催が決定。故障者もいるため、ベンチ入りメンバー18人に満たない17人の選手で戦い抜いた。石崎監督は「運良く選手のポジションのバランスは取れていた。怪我が治ったばかりの選手2人もいて、あまり練習していない中、よく頑張ってくれた」とねぎらった。
ホームの連勝記録も6でストップしてしまったが、上位チーム相手に勝ち点1は獲得。石崎監督は「次の試合まで2週間あるので、まずは身体を休め、気持ちを切り替えて準備していきたい」と前を見据える。(中田 康博)