【南北海道】札幌大谷が悲願の夏甲子園! 左腕・森谷大誠が2失点完投! プロ注目の知内エースに投げ勝った

スポーツ報知
初優勝にマウンド上で喜び合う森谷大誠投手(左から2人目)ら札幌大谷ナイン

◆第104回全国高校野球選手権南北海道大会 ▽決勝 札幌大谷7-2知内(26日・札幌円山)

 創部14年目で初の選手権切符獲得だ。決勝が行われ、札幌大谷が7―2で知内に勝利。2009年の野球部発足以来、夏の甲子園初出場を決めた。3試合連続コールド勝ちの強力打線がこの日も爆発し、13安打7得点。投げては最速148キロ左腕・森谷大誠(3年)が9回2失点で完投し、南北海道の頂点に立った。

 円山の青空に歓喜の声が響き渡った。9回2死。最後の打者を三ゴロに打ち取ると、マウンド上で喜びを爆発させた札幌大谷ナイン。昨秋、今春の札幌地区予選敗退から一気に南北海道の頂点まで駆け上がった。船尾隆広監督(51)は「生徒たちが一生懸命やっている姿に感動した。秋、春に悔しい思いをさせてしまったので、初めての道大会で力を発揮してくれてうれしい」と目頭を熱くした。

 屈辱を味わった172センチの小さな左腕が、決勝でも躍動した。序盤から制球が定まらず、5回までに6四球を与えた森谷。6回には左手親指の付け根に打球が直撃し「しびれがあったが、うまく力が抜けて、それをきっかけに開き直れた」。5―2の8回1死三塁のピンチは、オール直球勝負で無失点。持ち味の強気な投球を貫き、138球を投げ抜いた。

 「攻撃重視でいく」。昨夏の南大会敗退翌日、投手力に不安を抱えていた指揮官からチーム方針が示され「ずっと自分で負けてきて、申し訳ないと思っていた。見返してやろう」と背番号1は奮起した。リーダーとして投手陣を引っ張り、昨年末には自ら志願して背番号17の信田爽人投手(3年)とともに鳥取県で行われた初動負荷トレーニングの合宿に参加。最速148キロまで急成長を遂げると、今大会は4試合23回で自責点はわずか2。決勝でも船尾監督が「変えるつもりはなかった」と目を細める活躍で、初優勝の立役者となった。

 19年センバツで初出場初勝利。森谷は札幌大谷シニアのメンバーとして、先輩たちの活躍を生観戦した。「今大会は制球が乱れて野手に迷惑をかけてしまったので、フォームを見直す。甲子園ではリズムのいい投球をしたい」。あの春から約3年半。当時中学3年生だった少年は、エースナンバーを背負って聖地のマウンドに上がる。(島山 知房)

 ◆札幌大谷(札幌市) 1906年4月に私立北海女学校として創立。48年に札幌大谷に改称。2009年に男女共学となり、同年に野球部も創部。道大会へは春3、夏7(20年独自大会除く)、秋3の合計13度出場。生徒数は887人。部員数は99人(うちマネジャー4人)。主な卒業生に里田まい(タレント)や阿部剣友(巨人)。

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