【阪神】初の球宴に臨む湯浅京己、グラブに愛くるしい「青いクマ」の刺しゅう…その深い意味とは

スポーツ報知
球宴で使用するグラブを手に笑顔の湯浅(ザナックス社提供)

 初の開幕1軍入りから、不動のセットアッパーの地位を築き、大ブレイクを果たした。阪神のプロ4年目右腕・湯浅京己投手だ。150キロ超の伸びのある直球とフォークを武器にポテンシャルを存分に発揮。前半戦は37試合に登板し、1勝3敗、リーグトップの27ホールドで防御率1・80の好成績だ。「マイナビオールスターゲーム2022」(26日・ペイペイドーム、27日・松山)にもファン投票で初選出された。

 球宴となれば、普段とは違う商売道具も注目の一つ。ど派手なカラーなどを採用して、選ばれしトッププレーヤーが個性をアピールする。初出場の若虎も、用具提供を受けるザナックス社の担当者と打ち合わせ、限定グラブ、スパイクを作成した。ともに紫を基調とし「一番好きな色だということもありますし、紫は、精神力を高めてくれる効果があるそうなので、オールスターが自分を成長させてくれる場になるようにとの思いを込めて選びました」と満足げ。そして、手のひらがあたる裏平部の位置には、座右の銘「雲外蒼天(どんなに困難でも、努力をして試練を乗り越えればその先に青い空が待っている)」とともに、「青いクマ」の刺しゅうもお願いした。

 でも、なんで青いクマ? といっても、理由は“お祭り仕様”だからではない。シーズンの試合用の“相棒”にも必ず入れてもらっているそうだ。真剣勝負のマウンドとは相反するようなかわいらしい存在だが、そこに深い意味があった。

 「プロに入って、2回目の腰をやった時。伊藤さんに『またやっちゃいました』ってLINEしたら、『アオイクマ作戦で頑張れ』って送っていただいて…」

 元々、腰の故障持ちで入団1年目の2019年6月に腰椎疲労骨折。その後、再発し、心も折れかかっている時期にBCリーグ・富山時代の監督だった伊藤智仁氏(現ヤクルト投手コーチ)に連絡した。すると、「アオイクマ作戦で頑張れ」という激励の返信に下記の説明が添えられていた。

 ア…焦るな

 オ…怒るな

 イ…威張るな

 ク…腐るな

 マ…負けるな

 尊敬する恩師の言葉が胸に刺さった。

 「なるほどなって。トモさん(伊藤氏)から言われたっていうのが、一番。けがで焦ったり、イライラしたり、いろいろするじゃないですか。でも、その言葉を見て、自分の心を落ち着かせていた。少しずつかもしれないけど、自分にとって大切な言葉になっていきました」

 金言を授かって以降は「グラブに絶対に入れています」。20年シーズンから青いクマの刺しゅうを施してもらっており、夢舞台でも、当然、必要不可欠だったというわけだ。

 まだ23歳。遅咲きではない。しかし、これまでの道のりは決して、平たんではなかった。幾度となく悔し涙を流してきた。そんな苦しかった日々を忘れない原点―。これからも困難な壁にぶち当たった時は、手のひらで触れる愛くるしい青いクマが湯浅の支えになるのだろう。(阪神担当・小松 真也)

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