宮原知子さんインタビュー「ずっと見ていたくなるようなスケーターになりたい」

スポーツ報知
インタビュー中にも笑顔をみせる宮原知子さん(カメラ・義村 治子)

 3月に引退を表明したフィギュアスケート女子で2018年平昌五輪4位の宮原知子さん(24)がスポーツ報知のインタビューに応じ、プロスケーターとしての現在と未来を語った。23日に開幕し、31日の大阪公演(丸善インテックアリーナ)で千秋楽を迎えるアイスショー「THE ICE」に出演中。磨きを増した表現力で、これからも新境地を切り開いていく。(高木 恵)
※インタビューは「THE ICE」開幕前に実施

 ―同じアイスショーでも現役時代と気持ちは違う?

 「全然違います。今までは試合がメインなので、アイスショーに出るときも試合をイメージして出るという感じだったんですけど、今は本当にアイスショーが自分の本番というか。そういう場所なので。アイスショー自体をものすごく味わって、本当に心から楽しんでいるという感覚です」

 ―ショーと競技会はリンクのサイズや照明など違いはあるが、宮原さんにとって何が一番大きく違う?

 「物理的な違いはあるんですけど、一番違うのは試合は決められたルールに従ったプログラムを滑るんですけど、アイスショーは見せたいものを見せるっていう場所。自分のスケートを本当に見せるというところに重点を置いて演技しているので、そこが一番違うかなと思います」

 ―今季新しく作ったプログラムは?

 「日本のスターズ・オン・アイスでも滑ったジェフリー・バトルさん振り付けの『Voila(ボアラ)』と、ダンサーの小尻健太先生の『Stabat Mater』です。この2曲と、もう一つはステファン(ランビエル)と作ったものがあるんですけど。それはまだ…あの、どこにも出してないので。『THE ICE』でやりたいなと思っています。今練習中です」

 ―それぞれのテーマは?

 「ジェフの『Voila』はフランスの曲です。フランス語の歌詞の内容が自分の内に秘めた自分の中身をもっとさらけ出して、私はこんな自分です、私はここにいますっていうのを伝える内容になっていて。新しい自分を、演技を通して見せたいという気持ちで滑っています。『Stabat Mater』は、初めてスケーター以外の振り付け師さんと作ったプログラムになっていて、新しいチャレンジ。本当に陸から作り始めて、氷に移したプログラムです」

 ―ステファン・ランビエルさんと作ったプログラムは?

 「タイトルは『Paternera』。フラメンコの曲です」

 ―本格的なフラメンコをやりたいとずっと言っていたが?

 「はい。ずっと言っていて。最初は違う曲だったんですけど、作る前日くらいになって『やっぱりこっちにしたい』ってステファンが言って。頭の中で構想ができたらしくて。で、作りました。もう、めちゃくちゃ早く滑りたいです」

 ―どんなプログラム?

 「曲は本格的なフラメンコの曲で。どちらかというとメロディーがあまりなくて。ステファンに滑って欲しいくらいです(笑い)」

 ―新たな魅力を出せそう?

 「今までフラメンコをやったことはあるんですけど、有名というか、皆さんがこの曲知っているっていう『ポエタ』とか。そういうのしかやったことがないので。難しいですけど。耳が慣れているような曲じゃないんですけど、ずっと見ていたくなるようなスケーターになりたいので、それの第一歩として、ちょっと頑張りたいなっていう曲です」

 ―ランビエルさんとの曲作りは、やはり面白い?

 「めちゃくちゃ面白くて。ステファン自身が自分が滑りたいと思うようなプログラムを作ってくれるので。実際に作る過程で一緒に曲かけをしたりするので楽しいです」

 ―今一番見せたい、伝えたいこと、こだわっていることは?

 「自分にしか出せない世界観とか、滑りでこれだけ自分は見せられるっていうのを、自分の演技で表現したいなと思います。そこは一番力を入れているというか、意識しています」

 ―引退会見では悔いはないと言っていた。新しいシーズンが始まったが、気持ちは変わらない?

 「変わらないですね」

 ―昨年までは7月を張り詰めた心境で迎えていたと思うが、今はより楽しめている?

 「そうですね。今は練習もその日によって、今日はスケーティングだけにしようとか。現役の時もそんな風にはしていたんですけど、もっとその日にやりたい練習を好きにやるようにしています」

 ―スケートで得た物は?

 「試合とか練習を通して、自分を見つめる力っていうんですかね。すごく積み重ねた物があるかなって思うので。スケートだけじゃなくて、普段の生活とか、これからどんな自分になるかまだわからないですけど、日々を過ごしていくなかで自分を観察することは大事だと思うので、将来にもつなげられたらと思います」

 ―自分で観察した宮原知子は?

 「うーん…やるからにはちゃんとやりたいって最後まで思うタイプかなって思います。完璧をけっこう求めちゃうので(笑い)。今はあんまり自分を追い詰めすぎず、でもやることはちゃんとやるっていうふうにやっている、かな? って思います」

 ―将来的な夢は?

 「まだ具体的なことはこれから…これからというか、今もずっと考えているんですけど。でもやっぱり何かの形でスケート界に貢献したいなと思っています。スポーツドクターとか、そういう夢はあります」

 ―現役で頑張っている選手に言葉をかけるとしたら?

 「その時その時自分をしっかり知るということと、あとはいろんな状況があると思うんですけど、スケートをなぜ自分が続けているか、スケートが好きっていう気持ちとか、そういうのを忘れないようにして欲しいというのは伝えたいです」

 ◇THE ICE2022 大阪公演概要

 ▼公演日時

 ・7月30日 12時、17時開演
 ・7月31日 12時開演

 ▼会場 丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)

 ▼出演スケーター

 ・宇野昌磨(2018年平昌五輪銀メダル、22年北京五輪銅メダル、22年世界選手権金メダル)

 ・ネーサン・チェン(22年北京五輪金メダル、18、19、21年世界選手権金メダル)

 ・ヴィンセント・ジョウ(19、22年世界選手権銅メダル)

 ・イリア・マリニン(22年世界ジュニア選手権金メダル)

 ・友野一希(22年四大陸選手権銀メダル)

 ・坂本花織(22年北京五輪銅メダル、22年世界選手権金メダル)

 ・宮原知子(18年平昌五輪4位、15年世界選手権銀メダル)

 ・三原舞依(17、22年四大陸選手権金メダル)

 ・本田真凜(16年世界ジュニア選手権金メダル、17年USインターナショナルクラシック優勝)

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