【番記者の視点】浦和、GK西川がパリSG戦で感じたFWエムバペとGKナバスの「すごみ」

23日の浦和戦で、前半にドリブルで攻め込むパリSGのエムバペをマークする浦和・明本考浩
23日の浦和戦で、前半にドリブルで攻め込むパリSGのエムバペをマークする浦和・明本考浩

◆親善試合 パリSG 3―0 浦和(23日・埼玉スタジアム)

 「あそこの技術が『世界だな』と思った」。フランス1部のパリSGに0―3で完敗した直後の取材エリア。浦和GK西川周作は、かみしめるように試合を振り返った。

 その相手はフランス代表FWエムバペだ。0―1の前半35分、左サイドからのパスに鋭く速いターンでMFモーベルグが瞬く間に置き去りにされ、エリア内左へ侵入された。「彼は抜け出した時に一瞬、中を見たけど、ヘッドダウンした時にはシュートという覚悟をしてたのかなと思う」と西川。エムバペがボールを受けてから約3秒。中央へのパスではなく、角度のない位置から右足の絶妙なシュートを自身の頭上に突き刺された。

 西川の右肩の上、左ポストの間のわずかなすき間。「あえて手が出ないところ、あの距離、位置であそこを狙ってきた」というシュートに反応できなかった。前半10分には同じ位置にドリブルで侵入してからラストパスを通されたが、今度はゴールを直接射抜いてきた。「コースに必ず打ってくる技術がすごかった。その違いは(出場した)45分で感じられた」。スター選手と対峙したからこそ感じられた“差”だった。

 「すごみ」を感じた相手はもう1人いる。パリSGのゴールマウスを守ったコスタリカ代表GKナバスだ。ガルティエ監督が「彼はNO2の役割で何をするべきか分かっている」と話した35歳の守護神。試合前の記念撮影時は隣に並び「すごい紳士的な素晴らしい人だった」(西川)というが、試合になると冷静な表情でスーパーセーブを連発され、完封を許した。

 ともに同じ1986年生まれ。14年ブラジルW杯直前の6月に日本代表として対戦したコスタリカ戦(米フロリダ州、3〇1)。サブだった西川はベンチからナバスのプレーを見て以来、その技術を参考にしてきたという。「当時から足の運びとか、スピードがあるGKだなと思ってた。今日も難しいシュートを簡単に止めるところはさすがだなと。ステップは速いですね」。高速なステップを踏み、秒単位で変化する状況に応じてシュートに反応する。浦和は序盤から何度もチャンスを作ったが、ナバスの壁は崩せなかった。

 パリSGはナバス、ドイツ代表DFケーラーが堅守で完封に貢献し、スペイン代表FWサラビアが先制ゴール。くしくも、11月開幕のカタールW杯1次リーグで日本代表と対戦する3か国の“超人”の好プレーに屈した。西川は「自分たちが想定してる攻撃をしてこない。クロスかなと思ったら、ワンツーで崩してきたり。相手の裏をかくようなプレーは守ってて感じたし、そこはJリーグとの差かな」と痛感していた。

 この日の3失点、それ以外の相手の決定機は浦和の選手の予測を上回るプレーから生まれた。日本代表DF酒井宏樹は「あれだけの能力を持った中でしっかり(チームとして)パフォーマンスできるからこそパリにいる」とうなった。このレベルの選手が各国にひしめくW杯。日本代表は堅守、ハードワークでゴールを狙う土台を築きながら、試合中に相手の予想外を作り出す個の打開力や数人の連係、瞬時のひらめきが勝敗のカギを握るのではないか。少なからず、そう感じた90分間だった。(浦和担当・星野浩司)

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