◆第104回全国高校野球選手大阪大会 ▽4回戦 金光大阪3―0大院大高(23日・くら寿司スタジアム堺)
今春センバツ8強の金光大阪がエース・古川温生(はるき・3年)の完封で4回戦を突破した。
最終回、突如制球が乱れ、2四球で無死一、二塁のピンチを背負った。一度内野陣がマウンドに集まり気合いを入れると、2者連続三振。しかし、次打者に対しての1球目がボール判定。ここで捕手の岸本紘一(3年)がマウンドの古川に駆け寄った。「吉見さんを思い出せよ」「俺も思い浮かべてた」。バッテリーは、元中日でOBの吉見一起氏からもらった「9回を最終回と捉えず、1試合の1/9と考えていつも通りに抑えれば」という助言が思い返していた。冷静になったエースは、最後の打者を右飛に打ち取ってガッツポーズ。「(今日の試合を)ひとつの山と捉えていたので。昨日から完封するつもりでいたので達成できてよかったのと、夏は自分どうこうよりチームの勝利が優先。勝てたことが一番」と振り返った。
センバツ8強入りしたが、今春の府大会では、「過信があった」と5回戦で大商大堺にコールド負け。その後の練習試合でも結果が出ず「何を投げても打たれるイメージしか沸かなかった」と古川。最後の夏までの短期間でできることは技術ではなく精神の成長だと考えた。「打たれる自分を受け入れた。その中でどうするか、春の大会後に気持ちを一から作り直した」。春の敗戦を糧にしたエースは「徐々に上がって来ている中で夏に入れている。1試合ごとに成長できている」と胸を張った。
次戦は春の府大会準Vの履正社。3戦コールド勝ちの強力打線相手に「1から9まですごいバッターがそろっている。ただ気持ちの面では負けることなく、少ないチャンスをものにしてこの山場を乗り越えて先に進めたら」と意気込んだ。