藤田譲瑠チマ、ヨガの「静」から試合を「動」、パリ世代20歳ボランチ

藤田譲瑠チマ
藤田譲瑠チマ

 E―1選手権に臨むサッカー日本代表は初戦の香港戦(6〇0)から一夜明けた20日、千葉県内でリカバリー中心の調整を行った。香港戦ではMF藤田譲瑠チマ(20)=横浜FM=が堂々のA代表デビュー。24年パリ五輪を目指すU―21日本代表でもキャプテンを務める次世代ボランチの「試合を動かす力」を見た。

 藤田のプレーに、何度も目を奪われた。20歳のボランチが白星発進を”影”で支えた。前半26分、相手のパスミスをダイレクトでつなぎ、MF水沼の決定機を演出。丁寧なショートパスでチーム4点目をアシストすると、後半6分には相手のパスコースを読んで鋭い寄せで奪い切り、ビッグチャンスを生んだ。「チームを動かすプレーが得意。落ち着いて入れた」と物おじせずにピッチでタクトを振り、攻守にリズムをもたらした。

 豊富な運動量、強度の高い守備に加え、「素早い予測」、「テンポの良い球離れ」、「コーチング」で試合を動かす。東京Vで磨いた足元の技術で狭いエリアをかいくぐり、「静」を重んじるヨガで培った姿勢の良さは瞬時に前を向くプレーに生きている。6月の柏戦(4〇0)で、鋭く繰り出されたクサビのパスから得点の起点となった場面は印象深い。

 今季加入した横浜FMでは、より「アグレッシブに前へ動かす」意識が高まり、味方に前を向かせるだけでなく、自らも機を見て前線へと進入する回数が増えた。「こぼれ球は常に狙っていきたい」と抑えのきいたシュートも見せる。

 「ボランチは攻守をつなぐ役割。広い視野を持って試合運びをしないと」と、緩急を織り交ぜて90分のゲームをマネジメント。よく響く声でビシバシ指示を出して味方をコントロールするなど、「年齢が上の人にも気負うことはない」と舞台が変わっても、遺憾なく力を発揮した。

 可能性を示したデビュー戦にも、「納得のいくプレーはできなくて」と細かに反省を並べた。ただ、客観性を併せて分析する”眼”も大きな武器。「経験を積みにいくのではなく、結果を残し、少しでも課題を見つけて成長できる大会にしたい」と今大会を位置づける。海外挑戦、A代表経由パリ五輪を近いターゲットに掲げる次世代のゲームメーカー。まずはE―1選手権で4大会ぶり優勝へと導く存在になる。(小口 瑞乃)

 ◆藤田 譲瑠チマ(ふじた・じょえるちま)2002年2月16日、東京・町田市生まれ。20歳。ナイジェリア人の父と日本人の母を持つ。町田大蔵FCから東京Vジュニアユース、東京Vユースを経て20年にトップチーム昇格。21年徳島を経て22年より横浜Mに完全移籍。J1通算45試合1得点。19年U―17W杯など各世代別日本代表に招集され、21年東京五輪トレーニングパートナーにも選出。174センチ、74キロ。右利き。

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