フィギュアスケート男子で五輪連覇の羽生結弦(ANA)は19日、都内で記者会見を開き、第一線を退く意向を表明した。今後は競技会には出場せず、プロとして新たな道を歩んでいく。
この決断に至った経緯について羽生は「これから競技会に出るつもりはないです。やってきた中で、もう競技会、結果に対し、取るべきものは取れた。そこに対しての評価を求めなくなった気持ちもある。揺れ動いたりあったが、そもそも平昌五輪で引退しようと思っていた」と明かした。
競技会には出場せずとも、今後はプロとして、クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)への挑戦は続ける。「『競技会で降りなくてもいいじゃん』と思っている。理想としているフィギュアスケートを追い求めるのは競技会じゃなくてもできると。こういう決断をした」と話した。
仙台市出身の羽生は2011年の東日本大震災を乗り越えて14年ソチ、18年平昌両五輪を2連覇。冬季五輪の金メダリストで初めて国民栄誉賞を受賞した。3連覇を目指した北京五輪のでは、フリーで前人未到のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦し転倒も、国際スケート連盟に世界で初めて認定された。右足首の負傷を抱えながら夢の大技に迷わず挑み、五輪で再び歴史を刻んだ。3月の世界選手権は右足首捻挫で欠場した。
羽生は2010―2011年シーズンにシニアデビューを果たし、グランプリファイナルでは、13~16年大会に4連覇。世界選手権では2014年、17年大会の優勝含め計7個のメダルを獲得した。五輪では初出場の14年ソチ、18年平昌大会を制し、66年ぶりの連覇を果たした。