◆パ・リーグ 楽天7―3オリックス(16日・楽天生命パーク)
楽天は投打がかみ合い、連敗を5で止めた。浅村栄斗内野手(31)が、5回に15号3ランを放ち7回無失点だった田中将大投手(33)の5勝目をアシストした。
霧雨を切り裂くように打球は勢いを増して右翼方向へと飛んだ。「入ってくれと思っていました」。浅村の願いは通じ、ボールはスタンドイン。背番号3は歓声を一身に浴びながら悠然とベースを一周した。
0―0の5回に銀次の適時打で先制した直後だった。1死一、二塁の好機で山本が投じた151キロの外角直球をアジャストした。「銀次さんがいいタイミングで打ってくれたので、気持ち的に楽に入りました」。先輩がつくった流れに乗った。
先発の田中将は6連敗中。好投しても打線の援護がない試合も多く、責任を感じていた主砲は「勝ち星をつけてあげられなくて、僕たちにも責任があるので、今日は援護点を取れてよかったです」と安堵(あんど)感に浸った。
19年以降チームが7連敗中だった天敵・山本に黒星をつけてつかんだ白星には1勝以上の価値がある。「全員で戦って勝てたので、自分も打って勝ちましたけど、そういうのではなくて、とにかく勝ってよかった」。心地よい疲労感に包まれて球場を後にした。(長井 毅)