スピードスケートのナショナルチーム(NT)が16日、北海道・網走市内で合宿を公開した。NTは北京五輪後にヨハン・デビット・ヘッドコーチ(HC)らオランダ人スタッフが退任し、糸川敏彦HC、長島圭一郎コーチら日本人指導陣による新体制となり、5月に再始動した。
スタッフだけでなく、選手もエースの高木美帆がNTを離れて個別での活動を選択し、高木菜那さんらが引退するなど顔ぶれが大きく変わった。高木姉妹と女子団体追い抜きを組み、五輪2大会連続でメダルを獲得した佐藤綾乃(ANA)は「NTに入って6年間、毎日前を追いかけていた先輩たちがいなくなって、正直モチベーションが低くなってしまっている自分もいる」と複雑な心境を明かしつつ、「私が引っ張っていかなきゃいけないなという気持ちもある」と中心選手となる覚悟を示した。
北京五輪の男子500メートルで森重航(専大)が銅メダルを獲得するなど、短距離陣を中心に底上げが進んでいる男子も村上右磨(高堂建設)、一戸誠太郎(ANA)らが個別での活動を選んだ。一方で新たに若手も加わり、男子500メートル日本記録保持者の新浜立也(高崎健康福祉大)は「自分たちが成長していかなければ下からどんどん上がってくる」と気を引き締める。新浜とチームを引っ張る役割が期待される森重は「昨年は33秒台を出すことができた。今季は日本記録に挑戦していけたら」と力強い目標を掲げた。