【京都】近畿初の継続試合 大逆転勝利に宮津天橋・角山翔太郎主将「興奮しすぎて何が何だか分からない」

ベンチを飛び出して勝利を喜ぶ宮津天橋ナイン(カメラ・岩田 大補)
ベンチを飛び出して勝利を喜ぶ宮津天橋ナイン(カメラ・岩田 大補)

◆第104回全国高校野球選手権京都大会▽2回戦 宮津天橋15―10京都広学館(16日・あやべ日東精工スタジアム)

 近畿で初の継続試合となった1戦は、宮津天橋が鮮やかな集中攻撃で5点差、4点差を2度ひっくり返す大逆転劇で勝利を収めた。

 14日にプレーボールのかかった試合は京都広学館が5点リードの5回裏途中で、降雨により中断して継続試合となった。15日も降雨で中止となり、3日またいだこの日、5回裏無死一塁の京都広学館の攻撃から再開された。

 宮津天橋は6回1死一塁から、5安打にバッテリーエラーなどを絡めて1点差とした。さらに2死一、三塁から盗塁を仕掛けた一塁走者が一、二塁間で挟まれる間に、三塁走者がホームに生還。一気に5点を奪い、同点に追いついた。

 続く7回に1点を勝ち越した直後、京都広学館に一挙5点を奪われて逆転されて、再び4点を追いかける展開となった。しかし9回1死から相手失策と四球で一、二塁とすると、3連打と2四死球で同点に。さらに2死満塁で、吉見優大(3年)が左中間に勝ち越し2点二塁打を運んだ。その後も3点を追加して、この回だけで9点を奪って逃げ切った。

 決勝打を放った吉見は「打つしかなかった。とにかく、打つと。真っすぐが得意なので、真っすぐに張って。本当に良かった。ホンマにうれしかった。そのひと言です」と満面の笑み。継続試合に加え、2度の大量リードを許す難しい試合展開にも「皆、落ち込むことなく、逆転するぞという気持ちで一致団結していた」と胸を張った。4番で3安打2打点と活躍した角山翔太郎主将(3年)は「ちょっと興奮しすぎて、何が何だか分からない。この2日間、天気にも助けられた形。広学館さんには申し訳ないけど、野球の神様がこっちに味方してくれたかと思う」と興奮冷めやらぬ様子で振り返った。

 守本尚史監督は「予想できないし、してない。絶体絶命だし、開き直ってやるしかないと伝えていた」と驚きを隠さなかった。前日の中止決定後、宮津のグラウンドに戻り、同じシチュエーション(6回から4イニングの攻撃)でピッチングマシンを打ち込む実戦形式での練習を4セット実施。4回とも「あと1点追いつけなかった」と苦笑いで明かしたが、「最初に3点くらい取ると安心するのを見て、追い越すまでしっかりやろうと。ミスを確認しながら、やった。1日空いて、練習できたのが良かった。よく粘ったし、こんな力があるとは思わなかった。よく跳ね返してくれた」とナインを称賛した。

 敗れた京都広学館の高津佐(こつさ)宗克監督は「準備はしっかりしたつもりだが、今日の試合を見たら、メンタル的に今まで見たことない動きをする選手がいた。リードしているのにストライクが入らなかったり、軽率なプレーが出たり。継続試合は難しいなと感じた。でも、宮津の選手の集中力に脱帽です」と悔しさをにじませつつも、対戦相手をたたえた。

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