◆第104回全国高校野球選手権山形大会▽3回戦 羽黒10―0米沢興譲館=5回コールド(15日・荘銀・日新)
今春の県王者、羽黒が米沢興譲館を10―0で下し準々決勝進出を決めた。MAX145キロの右腕エース・本間葉琉(3年)に代わり、この日は2番手の右腕・五十嵐竜(3年)が先発完投。5回8奪三振無安打無四球で、コールド勝ちに貢献した。
雨が降りしきる中での圧勝に、渋谷瞬監督(40)は「五十嵐はベストのピッチングをしてくれたと思う。(攻撃も)最後までやることをやれて点に結びついたかな」と合格点をつけた。
身長163センチと小柄な五十嵐は、球速(MAX134キロ)よりも投球のキレで勝負するタイプ。この日も、打者の狙いを見抜きながら緩急をつけた球で、打たせては取り「ボールが乱れたところもあるけど、80点ぐらいの出来です」と振り返った。
五十嵐にとって1年の時から背番号「1」の本間は「背中を追い掛けてきた」という存在だ。「新チームになって自分も投げるようになり、競い合いながら自分の投球の質を高めていくことを考えた」。その持ち味を公式戦でも発揮できるようになって来た。
打っては184センチの3番・川田海捕手(3年)が4回、左翼席に3ランを叩き込むなどで「打撃のチーム」らしさが出た。公式戦では1年秋の満塁弾以来という本塁打に川田は「思ったより飛んでくれて良かったです」と笑顔をみせた。4年ぶりの夏の甲子園へ向け、勢いづいている。(甲斐 毅彦)