オカダ・カズチカは号泣の「クソオーナー」を沈黙させられるのか…3年ぶり真夏開催の新日「G1」16日開幕

スポーツ報知
14日の「G1 CLIMAX32」出場選手会見で観客に勇気と感動を与えた上での2連覇を誓ったオカダ・カズチカ

 「クソオーナー」―。リング上での激闘時以外は常に紳士的な新日本プロレス最大のスター・オカダ・カズチカ(34)の口から飛び出した荒々しい言葉に思わず耳を疑った。

 14日、東京・青山の明治記念館で行われた真夏の最強シングル決定戦「G1 CLIMAX32」の出場選手会見。東京五輪(延期)の開催、新型コロナ禍などを理由に2020年、21年と2年連続で秋開催となったプロレス界最大のお祭り「G1」が今年は3年ぶりの真夏開催に回帰し、史上最多の28選手が参加。16、17日の北海道・北海きたえーる大会2連戦で開幕し、8月16、17、18日の東京・日本武道館3連戦(18日に優勝決定戦)まで日本全国で全20大会が行われる。

 今年は28選手が4つのブロックに分かれ、1位勝ち抜けを狙う22年ぶりの4ブロック制を実施。この日の会見には搭乗便の遅れで不参加となった外国人3選手以外の25人が出席。先陣を切って、191センチの長身をダークスーツに包んで登場したのが、2連覇と通算4回目の優勝を狙う前IWGP世界ヘビー級王者・オカダだった。

 「去年、優勝することができたんですけれども、やっぱり、3カウントを取って優勝したわけではないですし、ああいうアクシデントで優勝する形になってしまったので。今年はしっかりと、ちゃんとした形で優勝して、2連覇をさせていただきたいと思います」と話したレインメーカー。

 昨年10月の優勝決定戦で、対戦相手だった飯伏幸太(40)がコーナートップからの大技・フェニックススプラッシュを仕掛けた際、オカダにかわされ“自爆”。顔面と肩を強打し戦闘不能となったため、レフェリーストップ負けになった一幕を振り返った上で、いきなり連覇を宣言した。

 確かに私も昨年の日本武道館のリング上での勝利のゴングが鳴った瞬間のオカダの呆然とした表情を昨日のことのように覚えている。だからこそ、冒頭の言葉で昨年の優勝がオカダにとって、非常に不完全燃焼なものだったことに改めて気づかされた。

 さらに元UFC戦士・トム・ローラー、ジョナ、昨年のG1で旋風を巻き起こしたジェフ・コブ、AEWから3年ぶり6回目の出場で気合満点のランス・アーチャーらスーパーヘビーの強豪がそろっているAブロックの戦いについて、「巨大な選手、怪物、モンスターが多いので、プロレスらしいプロレスができると思いますし、Aブロックは最高の楽しいブロックになると思いますので注目して下さい」と話したオカダ。

 続けて、その口から衝撃の言葉が飛び出した。

 「上半期はIWGP世界ヘビー級チャンピオンとして、まあ、負けてしまいましたけど、引っ張ってくることができたと自負してますし、どこかのクソオーナーが『(会場は)ブーイングばっかりだった』と言ってましたけど、僕の戦いではそんなことなかったと思ってます。しっかりと、感動や勇気や希望を皆さんに持ってもらえる試合をしたいと思ってます」と一気に話したオカダ。

 「クソオーナー」と名指しされたのは、新日の親会社・ブシロードの木谷高明会長(62)。オカダが露骨に不快感を示したのは、今月7日、都内で行われた戦略発表会の席上で木谷氏が口にした新日に対する「僕から見ていると、古い、遅い、固い、変化を嫌っている。今の日本と同じじゃないですか? それでは新日本プロレスが存在している意味がないんですよ」という発言に対してだった。

 発表会の席上、「僕が47年前にアントニオ猪木さんから夢や感動、未来を与えてもらったように、ファンの皆さんに夢や感動、生きる元気を与えたい」とも号泣しながら話した木谷氏。

 今年1月4日の東京ドーム大会で昨年のプロレス大賞MVP・鷹木信悟(39)を撃破し、最高峰のベルト・IWGP世界ヘビー級王座を初戴冠して以来4度の防衛に成功。6月12日の大阪城ホール大会でジェイ・ホワイト(29)に敗れ陥落したものの今年上半期の新日マットを力強く牽引してきたオカダにとっては決して聞き逃せない木谷氏の言葉。それが非常に珍しい「クソオーナー」という言葉になって、口をついたと私は見た。

 オミクロン株の新種「BA.5」の拡大などで感染が急拡大しつつある新型コロナ禍。16日、北の大地で1か月に渡る戦いの幕が開く「G1」の安定した開催にも一抹の不安が残るのは確かだ。

 それでも、プロレス界最大の祭典へのトップ選手たちの闘志は本物だ。オーナーの号泣発言なんて、くそ食らえ。優勝候補筆頭として「G1」戦線のど真ん中にいるのは、自身の戦いに絶対的な自信を持つこの男しかあり得ない。目を輝かせて連覇を誓ったオカダの表情に私は、そう確信した。(記者コラム・中村 健吾)

 ◆「G1クライマックス32」ブロック分け

 ▼Aブロック

 ▽オカダ・カズチカ 11年連続11回目の出場、12、14、21年優勝

 ▽矢野通 16年連続17回目

 ▽トム・ローラー 初出場

 ▽ジョナ 初出場

 ▽ジェフ・コブ 4年連続4回目

 ▽ランス・アーチャー 3年ぶり6回目

 ▽バッドラック・ファレ 3年ぶり7回目

 ▼Bブロック

 ▽石井智宏 10年連続10回目

 ▽タマ・トンガ 2年連続5回目

 ▽SANADA 7年連続7回目

 ▽タイチ 4年連続4回目

 ▽グレート―O―カーン 2年連続2回目

 ▽ジェイ・ホワイト 2年連続4回目

 ▽チェーズ・オーエンズ 2年連続2回目

 ▼Cブロック

 ▽棚橋弘至 21年連続21回目、07、15、18年優勝

 ▽後藤洋央紀 15年連続15回目、08年優勝

 ▽内藤哲也 13年連続13回目、13、17年優勝

 ▽ザック・セイバーJr. 6年連続6回目

 ▽アーロン・ヘナーレ 初出場

 ▽KENTA 4年連続4回目

 ▽EVIL 7年連続7回目

 ▼Dブロック

 ▽YOSHI―HASHI 3年連続6回目

 ▽ウィル・オスプレイ 2年ぶり3回目

 ▽鷹木信悟 4年連続4回目

 ▽高橋裕二郎 3年連続9回目

 ▽ジュース・ロビンソン 2年ぶり5回目

 ▽デビッド・フィンレー 初出場

 ▽エル・ファンタズモ 初出場

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