大相撲の関脇・大栄翔(追手風)が6日、名古屋場所(10日初日・ドルフィンズアリーナ)に向けた埼玉・草加市の部屋での稽古後に報道陣の電話取材に応じた。この日は幕内・遠藤、翔猿ら部屋の関取衆と15番ほど取ったという。「本当にいつも通り変わらないですけど、いい稽古ができていると思う。暑いので、体調管理をしっかりしたい」と自らの状態を語った。現地入りは8日の予定だという。
小結だった先場所は初日に横綱・照ノ富士(伊勢ケ浜)を撃破するなど千秋楽まで優勝を争い、11勝4敗で殊勲賞を獲得。大関への足掛かりとした。今場所は2020年秋場所以来の関脇に復帰。今場所は大関への足固めを狙うことになるが、大栄翔自身は「もちろんやっぱり上を目指してやってるんで、本当に上がりたい気持ちはありますけど。まだ1場所だけ2ケタ勝っただけなので。早まって考えないで、いつも通りの場所にしようと考えています」と冷静に足元を見つめた。それでも目標を問われると「やっぱり、2ケタ以上を目指して頑張りたいと思います」と気合を入れた。
先場所後には刺激になることもあった。少年時代から格闘技好きという大栄翔は、現地観戦はかなわなかったものの、プロボクシングの井上尚弥(大橋)とノニト・ドネア(フィリピン)とのWBA・IBF・WBC世界バンタム級王座統一戦を視聴。結果は井上尚が2回TKOで3団体統一に成功した。
大栄翔は「本当に強いな、と思いました。日本中のみんなが期待していて、いろんなプレッシャーもあると思うんですけど、そういう中でああいう100%のパフォーマンスができるというのは、精神力もそうですけど、すごいことだなと思いました。自分も頑張ろうと思いましたね」と触発された様子。自分もファンを沸かせる相撲を取りたいか、と問われると「そういう感じで頑張りたいと思います」と気合を入れていた。