◆パ・リーグ オリックス4―5西武=延長12回=(5日・京セラドーム大阪)
西武・中村が通算1955三振のプロ野球記録に並んだ。オリックス戦(京セラD)の8回の第4打席に本田から空振り三振を喫し、西武、巨人などで活躍した清原和博の記録に並んだ。スラッガーの勲章とも言える三振。積み重ねてきた数字の裏側にあるおかわり君の哲学を、大阪桐蔭高時代の恩師・西谷浩一監督が振り返った。
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高校時代、中村は今のように、長打か三振かというバッターではなかったです。むしろ、穴が少ない。確率が高く、三振はいくつかしかなかったと記憶しています。
プロに入ってまだ若手の頃、「(球団関係者から)本塁打を意識してやってくれと言われて、確率より本塁打にこだわってプレーしています」と聞きました。三振を恐れず、どんどん振って、本塁打を狙うことを求められていたのでしょう。
中学時代に初めて見た時は、飛ばす技術もありましたが、「変化球をうまく打つなあ」という印象でした。後日、聞いたら「変化球を待っていた方が打ちやすい」と。中学生なのに、です。
高校でも自分の打撃というものを持っていました。うちの3か所打撃は真ん中がカーブマシンですが、中村は右中間に本塁打が出るまでカーブマシンで打って、その後に投手が投げる球を打っていました。雨天練習場では打撃はしなかった。練習は自分で工夫していました。アドバイスをしたことはありますが、打撃を教えたことはない。根本的に教えることがなかったです。
446本塁打はすごい数字。アウトの中でも「三振か~」と思われがちですが、当てにいくより、自分の打撃をした結果です。ホームランバッターの裏返し、違う勲章だと思います。