【ソフトバンク】藤本博史監督は北条時政!? コロナで大量離脱も首位ターン ヒゲ指揮官の”執権政治”に注目

スポーツ報知
藤本博史監督

 最近、ソフトバンク・藤本博史監督がある人に見えて仕方がない。NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で坂東彌十郎が演じる北条時政だ。口ひげを蓄えて威厳がある一方で、笑うと目尻が下がり、穏やかな表情になる。ただ、チーム内のマネジメントを見ていると、似ているのはむしろ小栗旬演じる息子の北条義時のような気がしている。

 「森とはね、良い雰囲気で話ができましたよ」。不振で2軍調整をしていた森が約2か月半ぶりに1軍に合流した今月1日、藤本監督はホテルの自室に右腕を呼んだ。開幕からクローザーを任せたが、4月に3度の救援失敗で2軍落ち。降格の際には「1軍に戻ってくる時にはもう一度、守護神として頼む」と約束を交わしていたが、コロナ禍で大量の離脱者が出た中、事情は変わった。

 指揮官が森に託したのはモイネロ、又吉につなぐ6、7回の役割。腹を割って話すと、森も快諾した。「本人もそのつもりで来てくれたということなんでね。また球が走ってきたら9回(抑え)に戻そうと思う」。選手のプライドを尊重しつつも、勝利への最善策を探っている。

 藤本監督の現役時代は起用法や昇格、降格など有無を言わずに首脳陣の指示に従うだけだった。「俺らも経験あるけど、『なんで調子良いのに出られへんのかな』とかね。そういう不協和音が出やすいところ。特に実績ある選手は敏感だから」。打撃コーチ、2、3軍の監督経験を経たことで、選手の士気を保つ大切さに改めて気づいた。

 内外野の複数ポジションに、代打の適性まである牧原大には「キングジョーカー」「ある意味、レギュラーよりも大変」と、スーパーサブとして重宝していることを強調してきた。本人から「今日はジョーカーですか? 先発ですか?」と笑顔で起用法を問われることもあるという。きめ細やかなコミュニケーションが信頼関係を生み、交流戦の途中から牧原大はスタメン出場を続けている。

 ソフトバンクは12球団年俸ランキングで3年連続トップに立つなど、NPB屈指の戦力を抱えている。ただ、人員が豊富なだけに、使いこなすのも至難の業だ。

 「試合に出られないメンバーの分も、今出られるメンバーで頑張っていこう。若い選手が多いから明るくいこう」。コロナ禍で5日ぶりのゲームとなった2日の西武戦(ベルーナD)の試合前、藤本監督はナインに一丸野球を呼びかけた。

 コロナ禍だけではなく、負傷者も相次ぐなか、シーズン折り返しの72試合を終えて首位に立つ。「王ホークス」、「秋山ホークス」、「工藤ホークス」…。球団の歴代監督は冠名で報道されてきたが、「藤本ホークス」という表現はあまり目にしない。孤高の将軍とはひと味違うヒゲダンディズムの“執権政治”から目が離せない。(プロ野球遊軍担当・表 洋介)

野球

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請
×