◆第58回CBC賞・G3(7月3日、小倉・芝1200メートル=良)
サマースプリントシリーズ第2戦は17頭立てで争われ、ルーキーの今村聖奈騎手=栗東・寺島良厩舎=が騎乗する2番人気でハンデ48キロのテイエムスパーダ(牝3歳、栗東・五十嵐忠男厩舎、父レッドスパーダ)が格上挑戦で、逃げ切って重賞初制覇を飾った。タイムは1分5秒8で従来の記録を0秒2更新するJRAレコード。今村騎手は重賞初騎乗初勝利で、女性騎手初の快挙。1984年のグレード制導入以降、デビュー年の重賞初騎乗Vは、史上4人目となった。
3馬身半差の2着に3番人気のタイセイビジョン(川田将雅騎手)、さらに半馬身差の3着に1番人気のアネゴハダ(藤懸貴志騎手)が続いた。
今村聖奈騎手の勝利インタビューは以下の通り。
―重賞初騎乗で勝利を飾りました。
「うれしい気持ちでいっぱいです。毎レース、ジョッキーは1着で駆け抜けることがジョッキーとしての最高の瞬間だと思うんですが、今回はひときわ目立って観客の方の声援が聞こえたので。馬にありがとうという気持ちで鼓舞しました。ですが、スタート直後に他の馬に妨害行為をしてしまったことは反省しなければいけません」
―後続を寄せ付けない逃げ切りです。
「モニター見た時にセーフティーリードかなと思ったので、あとはしっかりハンドライドで追いました」
―しかもレコードです。
「能力があるのはご存じの通り。人間がしっかり乗るのと、48キロという軽量を生かして乗ることができたのではないかなと思います。改めて関係者の方々に感謝の気持ちでいっぱいです」
―初の重賞騎乗にプレッシャーや緊張は。
「重賞やG1といった大きなレースは見てきた舞台。逆の立場になってすごく感慨深いというのはあるんですけど、走るのは馬なので。邪魔をしないことが私のすべきことではないかと思って乗りました」
―勝利への手応えは。
「昨日コンタクトを取り、馬が絶好調で小倉に来ているのは分かっていました。あとは人間がしっかりアプローチすると結果につながると思っていました。自信を持って乗った結果です」
―今週が“小倉デビュー”でした。
「今週の騎乗馬のラインアップは先行有利の減量を生かしたレースをする馬が多く、昨日今日と前めでレースをしました。その中でも2着のレースだったり、失敗してしまったと思うレースもありました。試行錯誤しながらこのレースに向かいました」
―来場したファンは歴史の目撃者になりました。
「コロナ渦が少しずつ収まってきてお客さんの人数も増え、たくさんの歓声が私自身の励みになっています。これからもテイエムスパーダや、他の馬たちに恥じない結果を残せるように日々精進したいです。応援よろしくお願いします」