【番記者の視点】「ライオンになろうと思って…」初心を取り戻した神戸・菊池流帆

スポーツ報知
神戸のDF菊池流帆

 ◆明治安田生命J1リーグ 第19節 神戸 2―0 鳥栖(2日・駅前不動産スタジアム)

 最下位に沈む神戸は、元日本代表FW武藤嘉紀の2ゴールの活躍でアウェーで鳥栖に2―0で勝利。通算3度目の指揮官就任となる吉田孝行新監督の初陣を飾った。

 「ライオンになろうと思って…とにかく目の前の相手を倒すことを考えてました」。第一声に思わず笑ってしまった。言葉の主はDF菊池流帆。心なしか、試合を振り返る表情は晴れやかだった。

 一言で言えばガムシャラだった。気合を前面に出すスタイルはいつも通りだったが、これまで以上にミスを恐れず積極的な守備を披露。後半途中には思いっきりクリアしたボールが味方選手に当たって倒れる、なんてシーンもあった。なり振り構わない必死さで、今季2度目の無失点勝利に貢献した。

 J2山口から2020年に神戸に移籍。リーグ屈指の対人能力と空中戦の強さを武器に、2年目の21年に定位置を獲得しリーグの優秀選手賞にも選ばれた。順調に成長を遂げていたが、今季はコンディション不良で出遅れたことが影響し、復帰後も精彩を欠いたプレーが続いた。

 転機は先月22日の天皇杯3回戦・J2山口戦(みらスタ)。かつての本拠地に凱旋したセンターバックは、2―1で競り勝った試合後「自分は自分らしく、ヘタクソでいいから身体を投げだすとか対人の強さとか、それだけでいいっていうくらいの気持ちを今日は思い出しました。下手で良くはないけど、自分にできることはそこだと思うので」と話していたのが印象的だった。山口戦以来の先発出場となった鳥栖戦で、初心を取り戻して奮闘する姿に胸の内を聞いてみたくなった。質問の答えがライオンだったことには面食らったが、ユーモアあふれるやり取りも、らしさが戻ってきた証のように思えた。

 ガムシャラさの中に、この2年間で積み上げた成果が垣間見える場面もあった。最終ラインからのビルドアップで、少しでもスペースがあれば果敢にドリブルで前進。特に目を引いたのは後半31分、右MFの佐々木大樹の足元にパスを出すかと思いきや、佐々木をマークしていたDFの位置を見逃さず背後に生まれたスペースに通した。得点にはつながらなかったものの、神戸加入以降、課題に掲げていたプレーで進化を感じさせた。

 今月、国内組で構成される日本代表が東アジアE―1選手権(19~27日)に臨む。息を吹き返した今の菊池なら、初選出を期待していい。(種村 亮)

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