大橋未歩アナ、自身の発言切り取る「こたつ記事」に「自分の発言に責任を持ちたいからこそ怒りを感じることも」

自身の発言が即座にネット記事化されることについて大橋未歩アナは「自分の発言に責任を持ちたいからこそ怒りを感じることも」と率直に明かす(カメラ・頓所 美代子)
自身の発言が即座にネット記事化されることについて大橋未歩アナは「自分の発言に責任を持ちたいからこそ怒りを感じることも」と率直に明かす(カメラ・頓所 美代子)
「こたつ記事」とも「WINWINの関係でいられたらいいな」と話す大橋未歩アナ
「こたつ記事」とも「WINWINの関係でいられたらいいな」と話す大橋未歩アナ

 テレビ東京を退社し、フリーアナウンサーになって4年目の大橋未歩アナ(43)の生テレビ番組での発言、SNSでの発信への注目度が今、高まっている。2019年4月にTOKYO MX「5時に夢中!」(月~金曜・午後5時)のアシスタントMCに就任して以来、プライベートや社会問題もストレートに口にし、時に下ネタにも笑顔で対応する発言の数々が即座にネット記事化され、そのコメント欄には賛否両論、様々な声が集まっている。そんな売れっ子フリーアナが今、自身の生放送での発言を取り上げた「こたつ記事」や自身のアナウンサー人生への率直な思いを明かす。(構成・中村 健吾)

 大橋アナの月曜から木曜日までは毎週、濃密だ。「5時に夢中!」のアシスタントMCを週4日務めるため、午後2時には東京・半蔵門の局に入り、衣装合わせ、メイク、ナレーション録り、原稿読み、打ち合わせを済ませ、気がつくと、1時間の生放送を終える午後6時になっていることもしばしばだ。

 そんな生放送の中で大橋アナが口にする率直な言葉の数々を今、各ネットメデイアは競って記事化。森喜朗氏の女性蔑視発言が問題になった時は「私の中にも森さんは住んでいる」と話し、潜在的な差別意識を自覚することの難しさに言及したり、「フリーアナになったら、会社を裏切ったみたいな風潮は時代遅れです」などの発言がネット上を賑わしてきた。

 番組の生放送中にも自身の発言が即座にネット記事になる毎日を大橋アナ自身はどう思っているのだろう。

 「フリーになった以上はメディア露出も大事なので、記事にしていただけるのはありがたいと思うところもあるんですよ。番宣にもなるし。その反面、やっぱり自分の発言に責任を持ちたいから生放送に積極的に出ている部分もあるんです。編集できないじゃないですか、生放送って。だから、自分の発言がニュアンスを排除されて記事になったりとか、切り取られて記事になっているのを見たりすると、すごく複雑な気持ちになったりとか、怒りを感じることもあったりします」

 まず、正直な思いを明かした大橋アナには生番組出演時の決意がある。

 「出ている以上は毒にも薬にもならないことは言いたくないと思っています。自分の役割の一つとして(世間の)風潮に水を差すということをやりたいなって。『右にならえ』に世間の流れがなってしまっている時に本当にそうなのかなっていう疑問を提じられたらと思っていて、それは『5時に夢中!』という番組の立ち位置でもあると思うんです。言いにくいことを忖度(そんたく)せずに言うであったり、不当にたたかれてしまっている人たちに寄り添うじゃないですけど、そういう優しさを持っている番組だからこそ、出たいと思った部分もあります。だから、自分の発言から波紋が生まれるというのは自分自身、本望です。賛否両論が生まれてくるので、否の方から『それはどうかと思う』というご意見をいただくこともありますけど、多様な言論が成立するのが健全で、みんな同じ考えでは気持ち悪いと思っているので、空気を読み過ぎずに自分が思ったことを素直に発言して、それが結果的に物議を醸すのであれば本望ですね」

 そこには「見えない声にこそ耳を傾けたい」という長年の思いがある。

 「テレビ東京に入社して、視聴率競争とは一線を画した競争の渦を俯瞰(ふかん)で見ざるを得ない場所にいたのもありますし、報道番組を担当したのも大きい。(当時の)上司に『常にサイレント・マジョリティーを想像しろ』と言われて。『視覚化された強い意見は目立ってはしまうけど、その向こう側に声を発しない人たちの声が存在するんだという想像力を持て』と言われた。意見とか風潮を多角的に見るという訓練はテレビ東京時代にされた気がします」

 そんな姿勢は17年に同局を退社。18年からフリー活動を始めたことで、より強化された。

 「局アナ時代は(自分の)意見はなるべく言うべきじゃないという姿勢は全うしてきたつもりなんです。それを(退社までの)15年間やったので、今度は台本に書いていない自分の言葉でしゃべりたいと思ったのがフリーになった一つの理由でもあります。それくらいの強い思いがあるので(発言を)切り取られると残念なんですよね」

 再び言葉はテレビ番組での出演者の発言をそのまま紹介する、いわゆる「こたつ記事」への思いに。気になる点は多くあるという。

 「タイトル(見出し)部分ですよね。意見を『提案』と書くのか『批判』と書くのか『抗議』と書くのか、それによって全然、ニュアンスが変わってくるので。『激怒』と書かれて激怒してないよ!と思ったことも何度もありますし」

 そう話した後、視線はネットメディアとの付き合い方に移った。

 「WINWINの関係を築けたらと思うんですよ。こたつ記事も(ページ)ビュー数を稼ぐことで大事な収益になっていること。私たちも番宣してもらっているなというメリットがあるのであれば、WINWINの関係をどう築いていけるかだと思います」

 それだけ責任を背負って生放送で発言しているという自負がある。

 「社会に関心がないのだったら(番組に)出ない方がいいかなと思ってます。だって、一社会人として労働して税金払って、さらに顔も晒(さら)しているわけですし、アナウンサーだから社会課題に興味がないんじゃないかと思われるとしたら、すごく不本意だし、それは女子アナという風潮を作り上げてきたメデイア側の罪じゃないかと思います。アシスタントとかの肩書きにもこだわる時代じゃなくて、健全なのは闊達(かったつ)な議論がかわされること。ギャラもいただいているわけですし、アシスタントのくせに意見を言い過ぎと言われたりもしますが、聞かれたことに対して精一杯答えるのは当然の生理だと思います」

 だから、賛否両論、様々な意見が飛び出す「5時に夢中!」という番組に大きな魅力を感じている。

 「みんな生きてきたバックグラウンドを持っている以上は意見を持っているのが当たり前。全員に意見があるはず。それを封じ込めている方が私にとって不自然で。意見が人と違うから言わないというのは不健全。意見が人と違って当たり前で違った上で、どう感情をコントロールしてくかが大事だと思います。日本は同調圧力というか『同じこと』が美徳とされるけど、『5時に夢中!』は違うことがきっと美しいんです」

 そこには、フリー転身4年目だからこそ感じる「自由さ」もある。

 「どの局アナも同じだと思いますが、局を背負っているという責任感がある。でも、せっかくフリーになったんだから、今は言いたいことはちゃんと主張して、人間としての自分を見てもらおうと思っていますが、自由を履き違えないようにということには細心の注意を払っていますね。普段の思考が生放送には出てしまうと思っているので、普段の思考から気を付けてます。自分の言葉が刃(やいば)になって誰かを今この瞬間も傷つけている可能性が常にあるって自覚することで、いろいろ(伝え手としての)危険も回避できると思ってます」

 笑顔でそう話した大橋アナの人生観を変えたのが二つの試練。95年、自宅のあった兵庫県神戸市で被災した阪神・淡路大震災と13年の軽度の脳梗塞発症だった。右首の内頸動脈解離が脳梗塞の原因だったため、現在でも首の動脈にはチタンが埋め込まれている。

 「地震にあった人、病気をした人はたくさんいらっしゃるので、私だけが過酷な経験をしたとは思わないんですけど、脳梗塞で会社を8か月離れたというのは、すごく自分の中で大きかった。自分がいなくても会社はちゃんと回るんだというのを目の当たりにした時に自分の傲慢さというものを突きつけられた気がしました。(エースアナと)思っちゃってたんですね。そこですごく反省しました。穴の空いた時に誰かがその穴を埋めてくれる。その社会システムがあることこそが健全なのだと思い知らされました。自分が休んだことで教えていただきました」

 闘病生活で確かに人生観は変わった。

 「人生の優先順位が本当に明確になりました。それまでは出世とか社会での名声とかに興味があったかも知れないんですけど、脳梗塞の後には一番大事なのは命で、その次が健康で、以上!ってなりましたね。人間としての軸が整ったなと思いました。すごく生きやすくなりました。大事にするものが明確になった。脳梗塞にならなくてもそういうことが分かっている人間であれば良かったんですけど、私は未熟だったので、その経験でようやく学ぶことができた気がします。テレビ東京時代はまさに忙殺という感じで自分自身が見えてなかった。好きな番組は全部やりたい、スポーツも、バラエティーも、報道も全部やりたいという感じだったから。でも、あの忙しい時期が自分のフリーになった後の礎になったと思います」

 笑顔で振り返る大橋アナだが、「WEB報知」が記事化する同アナの記事のコメント欄には、過去の結婚、離婚歴などプライベートに踏み込んだ心ない書き込みをし続ける人物もいる。そんな悪質にも見えるコメントの数々への思いを今、大橋アナが明かす。(3日配信の後編に続く)

 ◆大橋 未歩(おおはし・みほ)1978年8月15日、兵庫県神戸市生まれ。43歳。95年、16歳の時に阪神淡路大震災で被災。02年、上智大法学部在学中、ミスアナウンサーコンテストでグランプリ獲得。同大卒業後、テレビ東京に入社。スポーツ、バラエティー、情報番組中心に多くのレギュラー番組で活躍も13年、軽度の脳梗塞を発症し休職。約8か月の療養期間を経て、同年9月に復帰。17年12月、同局を退社。18年3月からフリーで活動開始。19年4月からTOKYO MX「5時に夢中!」にアシスタントMCとして出演中。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士取得。20年から厚生労働省循環器病対策推進協議会委員も務める。夫は10歳年下の元テレ東プロデューサー・上出遼平氏。趣味は山登り。

 ※「WEB報知」では、その発言、発信が常に世間の注目を集め、ネット上を賑わす「トリックスター」たちをPV(ページビュー)という「数字を持つ人」としてピックアップ。直接、会いに行き、その本音に迫る連載を今回からスタートさせます。

自身の発言が即座にネット記事化されることについて大橋未歩アナは「自分の発言に責任を持ちたいからこそ怒りを感じることも」と率直に明かす(カメラ・頓所 美代子)
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