J1湘南MF池田昌生は5月25日のアウェー川崎戦以降、スタメンに定着した。その後4戦2発と結果を出し、チームはJ2降格圏から脱出し15位に浮上。昨季J3福島から加入。日本代表MF鎌田大地(フランクフルト)を追って東山高の入学したが、ここまでたどり着くには多くの壁があった。ついに花開いた新鋭へのインタビュー第1回。(取材・構成 山田 豊)
―ルヴァン杯1次リーグで3戦連発を含む6戦4発。リーグ戦でも先発に定着し2ゴール。降格圏脱出の立役者になった。
「個人のところでは始動してからコンディションは良かったけれど、なかなかリーグ戦に絡めなかった。ルヴァンで結果を出したのは自分の中では偶然ではないと思っている」
―自信があった。
「スタート(先発)のほうが自分の良さが出る。途中出場では難しかったがリーグ戦をスタメンで出られるようになってから特徴が出せている」
―今季は1・5列目で存在感を出しているが、FW、ウイングバック、ボランチなど複数ポジションをこなせる。自身の特徴を改めて。
「僕はセルティックFW前田大然選手のようなスピードがあるわけじゃない。特化した部分はないので全ての項目で80点以上とるのが理想。点取れてアシストできて走れて…という選手。得点へのこだわりというより全体的に上げていきたい」
―京都・東山高からJ3福島に入団した経緯を。
「高3の時、当時湘南の牛島真諭スカウト(現鹿島)に声をかけられた。東山高の4つ上に日本代表MF鎌田大地さんがいた。牛島さんは元々J1鳥栖のスカウトで鎌田さんを入団させた経緯があり、その縁で東山高をみてくれた。高3の8月に湘南の練習に参加した。内定の可否を11月の頭まで引き延ばしてもらったが結局内定はもらえなかった」
―J1の湘南にいきたかった。
「プロにいけなかったらサッカーを辞めて仕事をしようと決めていた。それを先生に伝えたら一時的な感情で決めるんじゃなくてサッカーを続けろといわれた。でも牛島スカウトがサッカー部の先生に連絡くれて『湘南の提携先であるJ3福島の練習参加してみては?』といわれた。その後入団が決まった」
―J3でプレーしてみて。
「金銭面含めて、思い描いているサッカー選手とのギャップはすごくあった。理想とのギャップはあったが皆が上を目指している集団。それが良かった」
―そのときの心境は。
「若いうちにステップアップしたいというのがあった。このままJ3で5~6年いたら厳しい。3年でJ3を出られたけど個人的には遅いと思っていた」
―21年に念願のJ1湘南加入を果たした。
「湘南にいくのに3年かかってしまったな、と言うのが本当のところ。でもJ3から飛び級でJ1挑戦できるのはワクワクした。最初はスピード感や球際や切り替えや強度に戸惑った。でもサッカー勘や戦術理解度は通用すると感じた。時間がたてばやれるなと思えた。手応えはあった」(続く)
◇池田 昌生(いけだ・まさき)1999年7月8日、大阪府生まれ。C大阪の下部組織から京都・東山高。18年にJ3福島へプロ入りし昨季からJ1湘南加入。MF。利き足は右。177センチ、71キロ。血液型B。独身。