神戸に欠ける「中長期ビジョン」、シーズン中2度監督交代に「バルサ化」も名残なし・・・担当記者が見た

スポーツ報知
18年途中に加入し5シーズン目のイニエスタ

 J1最下位に沈む神戸が29日、ロティーナ監督(65)とイバンヘッドコーチ(42)との契約を28日付で解除したと発表した。後任は強化部在籍の吉田孝行氏(45)で、3度目の指揮官就任。この日の練習から指揮を執り、7月2日の鳥栖戦(駅スタ)で初陣を迎える。シーズン中、2度の監督交代は通算5度目。何度も繰り返される監督人事の背景を担当の種村亮記者が「見た」。

 神戸がJリーグに参入した1997年以降、26シーズンのなかで監督交代が行われたのは19度。低迷の時期が長かったことを踏まえても異例の回数だ。日本人最年長のGK飯倉大樹(36)は以前、クラブの成長に必要なものとして「中長期的なビジョン」を強調した。神戸に欠けているのはまさにそれだと思う。長い目で見て考えたはずの方針を貫き通せず、理想と現実の間でどっちつかずにいることが安定した強さを身に付けられないでいる要因ではないか。

 近年で言えば、18年からスペイン1部バルセロナを参考にしたパスサッカーを理想に掲げた。細かくパスをつないで主導権を握る「バルサ化」実現へ、中心選手だった元スペイン代表MFイニエスタ(38)を獲得。同年秋には、かつてバルセロナを率いた名将グアルディオラ氏(51)が師と仰ぐ戦術家・リージョ氏(56)を監督に招へいしたが、翌年春に突如退任した。以後もクラブはスタイルを継続しようと努めたが、今はその名残はない。3位と大躍進した昨季も、日本代表FW古橋亨梧(現セルティック、27)ら個の力を発揮してのものだった。

 この日、オンラインで行われた会見で永井秀樹スポーツダイレクター(51)は「ビッグクラブであるがゆえ、より結果にフォーカスしなければならないと凄く感じる」と語った。三木谷浩史会長(57)による超大型補強でチームが構成されていることも無関係ではないだろう。オーナークラブだからこその舵取りの難しさは、今後も神戸が直面するポイントでもある。(種村 亮)

 ◆小田は急転直下の解任劇「きょう知った」

 〇…神戸のU―21代表FW小田が29日、都内で行われたルヴァン杯決勝トーナメント組み合わせ抽選後に取材に応じ、ロティーナ氏の解任について「きょう知った」と明かした。急転直下の解任劇となり「就任して間もなかっただけに、整理がつかない部分もある」と心境を吐露したが、「選手は気持ちを切らさずやるだけ」と力を込めた。

 ◆永井SD、補強を進める

 〇…永井SDは会見で、今夏の補強に関して言及。「チームに必要なパーツを考えていく中で補強も進めている。まもなく新しい発表もできると思う」と話した。同席した千布勇気社長(37)は吉田新監督が暫定ではないと断言。「J1残留という今の状況からすれば奇跡に近いところかもしれないが、吉田氏とともに一致団結して戦っていきたい」とシーズン最後まで共闘する姿勢を示した。

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