【巨人】メークドラマを超えろ! 96年の「11・5」差超え ヤクルトと今季最大「12」差も

延長10回1死、左前安打を放つ代打・中田翔に、ベンチから声援を送った巨人ナイン(カメラ・竜田 卓)
延長10回1死、左前安打を放つ代打・中田翔に、ベンチから声援を送った巨人ナイン(カメラ・竜田 卓)

◆JERAセ・リーグ 巨人2―3中日=延長10回=(29日・郡山)

 巨人は郡山での7年ぶり主催試合で中日との競り合いに敗れ、6カード連続勝ち越しなしとなった。序盤に大城、坂本の適時打で一度は逆転したが、4回以降は無得点。先発の山崎伊がリードを守れず5回2失点で降板すると、最後は延長10回に6番手の鍬原が押し出し死球で決勝点を許した。6連敗中だった最下位の中日相手に痛い星を落とし、勝った首位・ヤクルトとのゲーム差は今季最大の「12」となった。

 わずかな指先の狂いが、致命傷となった。2―2の延長10回、6番手・鍬原が3連打で無死満塁の危機を招く。代打・三ツ俣を迎え、1ボール1ストライクからの内角直球がシュート回転し、左手に当たった。先にバットのグリップに当たった可能性を捨てず、原監督がリクエストして確認を求めても、判定は覆らない。押し出し死球で与えた1点で、そのまま試合は決した。原監督は「やっぱり(得点が)2点というのがね。もう少しやっぱり、活発に点を取れなきゃダメだろうね」と4回以降無得点に終わった打線を悔いた。

 初回に1点の先行を許すも、2回に大城の適時二塁打、3回には坂本の適時打で1点ずつを奪って早々に逆転。だが、そこから“三の矢”が放てなかった。7回1死一、二塁で丸が左飛、ウォーカーも遊飛と好調コンビが凡退。1点を追う10回も1死から代打・中田が左前安打で出塁して一発なら逆転サヨナラという状況を作り出したが、岡本和、坂本が倒れて奇跡は起きなかった。「中盤がやっぱりダメだったね。1本が(出なかった)」と元木ヘッドももう一押しを欠いたことを指摘した。

10回1死一塁、空振りの三振に倒れた岡本和真(カメラ・中島 傑)
10回1死一塁、空振りの三振に倒れた岡本和真(カメラ・中島 傑)

 投手陣も個々に粘ったことは収穫と言える。だが、反省も必要だろう。10イニングで6度、回の先頭打者を出塁させ、守備の時間が増えて打線にリズムを呼べなかったことも事実だ。さらにチーム全体で同じ打者に打たれ続けたことも、チームとして猛省しなければいけない。阿部に2本の適時打を含む5打数5安打とつるべ打ちされ、28日の試合の第2打席から8打席連続安打を許す結果に。さらに大島にも3安打、岡林、A・マルティネスにも2安打ずつと、固め打ちをさせてしまう傾向はある。「そこはやっぱり、我々の指導の不徳の致すところ。何とかしないといかんよね」と指揮官はわびた。乗ってる打者を封じてこそ、勢いも生まれるもの。今後も対戦は続くのだから対策は急務だ。

10回2死一塁、一邪飛に倒れる坂本勇人(カメラ・中島 傑)
10回2死一塁、一邪飛に倒れる坂本勇人(カメラ・中島 傑)

 6カード連続の勝ち越しなしとなり、首位・ヤクルトとは今季最大の12ゲーム差となった。96年、最大11・5差からの逆転Vを成し遂げた「メークドラマ」を超えた。ただ、首位との差を気にしている場合ではない。1勝ずつ積み重ねるため、1つの安打、1つのアウトを大事にしていくしかない。(西村 茂展)

【動画】ヤクルトの勢いは落ちる。その時、巨人が連勝できればきっと何かが起こる【ファーム報知】

試合詳細
延長10回1死、左前安打を放つ代打・中田翔に、ベンチから声援を送った巨人ナイン(カメラ・竜田 卓)
10回1死一塁、空振りの三振に倒れた岡本和真(カメラ・中島 傑)
10回2死一塁、一邪飛に倒れる坂本勇人(カメラ・中島 傑)
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