【ヤクルト】6月の村神様は止まらない セ2位「5度目2発」球団2位「14発」7人目「35打点」

左中間に2ラン本塁打を放った村上宗隆(カメラ・石田 順平)
左中間に2ラン本塁打を放った村上宗隆(カメラ・石田 順平)

◆JERAセ・リーグ 広島2―9ヤクルト(29日・マツダスタジアム)

 ヤクルトの4番・村上宗隆内野手(22)が2本塁打でチームを13カード連続勝ち越しに導いた。8回に左中間へ2ランを放つと、9回にも左中間へ2打席連続の2ラン。3戦連発で最近6試合で8発目とし、6月は14本塁打35打点と手がつけられない。独走状態の本塁打、打点に加え、打率はリーグトップの佐野(DeNA)に1厘差まで接近。2004年松中(ダイエー)、セ・リーグでは1986年バース(阪神)以来の3冠王誕生が現実味を帯びてきた。

 もう、誰にも止められない。村上の打球は失速することなく、高く長い放物線を描き、ため息交じりの左中間席へと消えた。広島では6戦7発、直近9試合で10発と圧倒的な打棒を発揮。「精神的にもいい状態で打席に立てている。それがいい方向につながってる」と充実感を漂わせた。

 3―1の8回無死一塁。菊池保の131キロのスライダーを捉えて、左中間席最前列へ運んだ。21年8月17~20日以来となる自身2度目となる3戦連発となる28号2ラン。「点を取られた後だったので追加点がほしかった。しっかり押し込むことができた」と胸を張った。7―1の9回無死一塁では、2打席連発となる左中間席への29号2ランを放ち、今季7度目の1試合2発。球団日本人最多を更新する月間14本塁打とし、6月は35打点とチームの独走を支えている。

左中間に2ラン本塁打を放った村上宗隆(カメラ・石田 順平)
左中間に2ラン本塁打を放った村上宗隆(カメラ・石田 順平)

 打線の口火を切ったのは公私ともに仲がいい3番・山田。4回先頭で15号先制ソロを放った。村上とのアベックアーチは今季6度目。7歳差の2人だが、グラウンド内外で野球談議に花を咲かせ、切磋琢磨(せっさたくま)している。

 山田「困ったことがあれば助けてもらうし、彼をリスペクトしてる。すごくいい存在。彼が打ったら、僕も負けずに打ちたいって気持ちになる」

 村上「僕の前に山田さんが打つことによっていい形でまわってくるし、心強い。一緒にチームを優勝に導きたい」

 その言葉を象徴したのが、11日のソフトバンク戦(ペイペイD)だった。1点差の1死満塁で山田が空振り三振に倒れた直後、村上が満塁本塁打で試合を決めた。一発でフォローしてくれたかわいくも頼もしい弟分を山田はベンチで力強く抱きしめた。

 この日も通算30度目のアベック弾でチームを13カード連続勝ち越しに導いた。球団の月間最多勝利へ王手をかける18勝で貯金を今季最多の26としたが、村上は「もう終わったこと。またあした、同じように打って勝てるように頑張りたい」と切り替えた。最短での優勝マジック点灯は7月1日。無敵の4番と主将が高め合い、一気にVロードを走る。(森下 知玲)

 【記録メモ】

 ▼…村上(ヤ)は2本塁打に4打点。6月は5度目の1試合2本塁打。セで1試合2本塁打以上を月間5度以上は、16年7月に6度の筒香嘉智(D)に次ぎ、76年5月のブリーデン(神)の5度と並びセ2番目。また月間14本塁打は、13年8月に18本のバレンティンに次いで球団2番目だ。

 ▼…1950年の2リーグ制後、月間35打点以上は(所属の松は松竹、近は近鉄)

点  打者 (所属)年・月

39小鶴  誠(松)50・5

36長嶋 茂雄(巨)66・8

35ブライアント(近)94・7

35クラーク(近)98・8

35阿部慎之助(巨)04・4

35バレンティン(ヤ)13・8

35村上 宗隆(ヤ)22・6

 7人目。球団ではバレンティンと並び最多タイ記録になった。

試合詳細
左中間に2ラン本塁打を放った村上宗隆(カメラ・石田 順平)
左中間に2ラン本塁打を放った村上宗隆(カメラ・石田 順平)
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