飯塚翔太、愛用スパイクのこだわり「ソールを硬く全体から反発を」…1年以上かけて製作

スポーツ報知
走りを支えるスパイクの秘密を語った飯塚翔太(カメラ・小林 泰斗)

 五輪3大会連続出場の陸上男子短距離・飯塚翔太(31)=ミズノ=が、自身の走りを支えるスパイクへのこだわりを明かした。2016年リオ五輪では400メートルリレーで銀メダル獲得に貢献。“勝負靴”は飯塚本人がスポーツ用品メーカーの担当者と細部まで感覚を伝え合い、何度もやり取りを繰り返して出来上がったもの。今季200メートルで国内最速を記録した走りの鍵を握る、作り込まれた逸品の秘密を語った。(取材・構成=手島 莉子)

 蛍光黄色のスパイクが、輝いて見えた。5月3日の静岡国際男子200メートル決勝。飯塚は得意の後半に伸びを見せ、優勝した。

 「うまく走りがかみ合った。全体的な流れとしては自分の良さが出たと思います。さらにスピードを上乗せできれば、より良くなる」

 今季から履き始めた“相棒”と息を合わせ、今シーズン日本勢最速20秒34をたたき出した。走りの原動力となるスパイクの製作は、所属先であるミズノ担当者と細かな感覚をすり合わせていく。

 「短距離は接地(足が地面につく)時間と感覚に、ちょっとしたズレがある。だから反発をもらえ、かつ自分の動きがしっかりできるような一番良い厚みを探します」

 厚みに加え、足を支える土台であるソールの硬さにも目を向ける。

 「(地面からの圧は足裏の)ピンの所からかかりやすかったんですが、ソールを硬くすることで全体から反発をもらえるようになった。200メートルの後半で足が上がりにくくなった時は、それをアシストしてくれる感覚もあるんです」

 1年以上の時間を要する製作だが「ちょっと(作りを)変えただけで感じ方が全然違う。楽しい」と充実感と達成感は計り知れない。使用期間は「履こうと思えばずっと履けますが、段々硬さがなくなって反発が少なくなったりするので、ベストは半年くらい」という。その扱いも慎重だ。

 「遠征で飛行機に乗るときは、スパイクとユニホームだけは必ず機内手荷物。3週間くらい履いて自分の足になじんできたスパイクが好み。だから代えがないものです」

 見た目もお気に入りで「この色が好き。バランス力やジャンプ力を測ると、黄色の時は数値が高く出る。今年のミズノのユニホームも黄色なので、僕にとって勝負カラーの年」。来月のオレゴン世界陸上は個人戦の出場が厳しい状況だが、200メートル今季日本勢最速の実力は変わらない。

 「スパイクを生かす走りは、今後の鍵にもなってくると思う。生かせるようにうまく走りたい」

 東京五輪後に現役続行を表明し、24年パリ五輪を見据える。感覚を研ぎ澄ませ、スパイクとともに進化を続ける。

 ◆飯塚 翔太(いいづか・しょうた)1991年6月25日、静岡・御前崎市生まれ。31歳。小学3年から競技を始める。中大1年だった2010年に世界ジュニア選手権200メートルで同大会日本勢初となる金メダル。五輪は12年ロンドン、16年リオ、21年東京と3大会連続出場で、リオでは400メートルリレー銀メダル。世界陸上も13、17、19年に出場し、17年ロンドン大会同銅。自己ベストは100メートルで10秒08、200メートルは20秒11。186センチ、83キロ。

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