坂井隆一郎、初の世陸内定 10秒02で所属先副部長の朝原宣治氏に並ぶも「本当は抜きたかった」

スポーツ報知
布勢スプリントで世陸代表を決めた坂井隆一郎 

◆陸上 布勢スプリント 最終日(26日、鳥取・ヤマタスポーツパーク)

 男子100メートル予選で、今年の日本選手権2位・坂井隆一郎(24)=大阪ガス=が10秒02(追い風1・1メートル)をマーク。オレゴン世界陸上(7月15日開幕、米国)の参加標準記録(10秒05)を突破し、サニブラウン・ハキーム(23)=タンブルウィードTC=に続く2人目の同代表に初めて内定した。世陸への調整のため坂井が棄権した決勝では、デーデー・ブルーノ(22)=セイコー=が10秒20(追い風0・1メートル)で優勝した。

 予選で10秒02の速報値をたたき出した坂井は「公認になれ!」と願いを込め、記録掲示板を見上げた。正式に世界陸上の参加標準記録(10秒05)の突破を確認すると、緊張感から解放されて満開の笑顔だ。「布勢(スプリント)はタイムが出て、良い風が吹くことは知っていた」。昨年、山縣亮太(30)=セイコー=が日本記録の9秒95を出した高速トラックで、今季の日本勢最速タイム。10秒10で2位に入った10日の日本選手権から好調を維持し「自分の走りを、より意識してできた。やっとここまで来た」と喜びに浸った。

 10秒02は、08年北京五輪400メートルリレー銀メダルの朝原宣治氏(50)に並ぶ歴代7位の好記録。坂井の所属する大阪ガスで朝原氏は副部長を務めており、「『次は9秒台だな』と連絡が来ていました」と早速の“祝福”に声が弾んだ。さらに「朝原さんの記録を目標にしていたので、本当は抜きたかった」と明かす余裕もあり、大先輩に追いついた充実感もあった。

 昨年は日本選手権前の右太もも肉離れで、東京五輪代表の夢はかなわず。それでも「五輪で海外の選手は大きくて、筋肉は必要だと思った」と腐ることなく研究した。冬場は筋力アップに重きを置き、体重は昨年から3キロ増えて64キロに。地道な努力が今季の好調につながった。

 世界陸上は、09年ベルリン大会で9秒58の世界記録を樹立したウサイン・ボルトの活躍をテレビで観戦した。「ボルト選手の世界記録を鮮明に覚えています。夜起きて見た記憶がある」と小学生ながらスターの走りに胸を躍らせた夢舞台だ。再び9秒台への挑戦となるが「自分の武器であるスタートにさらに磨きをかける」と気合は十分。リレーの新戦力としても注目される24歳が、次なる大舞台でさらに輝きを増す。(手島 莉子)

 ◆坂井 隆一郎(さかい・りゅういちろう)1998年3月14日、大阪・豊中市生まれ。24歳。中学1年生から陸上を始め、大阪高から関大の人間健康学部に進学。4年時に10秒12を記録し、20年に大阪ガス入社。今季は全日本実業団2位、日本選手権は予選10秒24、準決勝10秒15、決勝は10秒10で2位。171センチ、64キロ。

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