【北北海道】帯広農、昨夏甲子園を経験した投打の軸が躍動し快勝発進

スポーツ報知
初回に先制2点適時三塁打を放つなど3安打3打点と活躍した帯広農・清水

◆第104回全国高校野球選手権北北海道大会 ▽十勝地区Bブロック1回戦 帯広農6―2足寄(25日・帯広の森)

 3地区で開幕し、6試合が行われた。北北海道の十勝地区では2年連続夏の甲子園出場に挑む帯広農が6―2で足寄を破り、白星発進した。昨夏を経験した4番・清水椋太主将(3年)が先制打を含む3安打3打点、エース右腕・佐藤大海(たいが、3年)が8回2失点と投打の軸が躍動した。

 聖地を知る男たちが、チームを勇気づけた。初回1死二、三塁。帯広農の4番・清水は外角の直球を力強くはじき返した。中越えの先制2点適時三塁打で主導権を握ると、5回は好機を拡大する左前打。5―1の9回無死一塁では中堅フェンス直撃の適時二塁打でダメ押し。試合を決定づけた。北海道一番星をもたらした主将は「勝てて良かった。全員が挑戦者の気持ちでいけた」と大粒の汗をぬぐった。

 負ければ引退。初陣の先発マウンドを託された佐藤は、7安打を許しながら8回2失点と粘投した。自己採点は「50点」としたが昨年からエースナンバーを背負う男が、打っても3安打と気温30度超えのグラウンドで役目を全うした。西川雄太郎監督(34)も「3年生がしっかり活躍してくれた」と最後の夏に懸ける最上級生をたたえた。

 「王者のプライド」を胸に挑んだ昨秋と今春は、ともに地区予選で敗退。浮き彫りになった課題はバントミスの多さだった。春季大会後、部員42人全員がノーミスでバントを決めきる練習を開始。1日3時間では足りなかった。1週間かかった。この日、中盤に成功した計3つの犠打は全員の努力の結晶だった。

 聖地で勝つために―。今年のスローガンは「聖勝」だ。苦難を乗り越え、チームはさらに結束した。全校生徒の応援を背に、初戦から躍動した清水は「甲子園への挑戦権を得るためにまずは北大会を制する」と気合を入れ直した。「日本中に元気や勇気を与える夏にしてほしい」。指揮官の言葉を現実にするべく、帯農ナインの熱い夏が始まった。

(堀内 啓太)

 

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