◆JERAセ・リーグ ヤクルト16―6巨人(24日・神宮)
巨人が首位ヤクルトとの3連戦初戦で惨敗を喫した。エース菅野が中村に2発を浴びるなど、5回を投げ今季ワースト7失点。救援陣も村上に2連発を許すなど大炎上で今季最多の被安打19、09年5月19日の日本ハム戦(札幌D)以来13年ぶりの16失点を許した。25日の試合でも敗れれば、早くも自力Vが消滅。9回に意地の一発を放った岡本和は、5年連続20発をマークした。
あまりの大飛球に、神宮全体が大きくどよめいた。12点ビハインドの9回無死一塁。大量点差の中でも岡本和の集中力は切れていなかった。「集中してしっかりとスイングできました」。大西の初球149キロ直球をたたき、バックスクリーン上部へぶち込む20号2ラン。主砲が意地の一発を放ち、球団6人目となる5年連続20号に到達した。
タイトルを争う村上と4本差で迎えた3連戦初戦。その村上が目の前で6回に一発を放った。7回の守備では代打・浜田の痛烈な打球を倒れ込みながらも好捕し、1回転して膝立ちで送球。だが、これがそれて出塁を許す(記録は失策)と、再び村上のアーチを見届けることとなった。相手4番の大活躍を見て、巨人の4番が黙っているわけにはいかない。2試合ぶりのアーチを描き、6月はこれで5発目。月間打率も3割1分3厘と徐々に本来の姿を取り戻しつつある。
チームの勝敗を左右する重要なポジションを担うからこそ、どんな展開でも最後までファイティングポーズを取り続ける。「負けてる時は、僕がそれを打破できるように。そういうことが4番には必要。負けてる時でも、その一本がきっかけで流れを変えることもある」。4点を追う3回1死一、三塁では中犠飛を放ちこの日3打点。何とかしたい、という思いをバットに込めて食らいついた。
負けられない直接対決はまだ続くが「明日につなげられるようにしたい」と力を込めた。やられたらやり返す。最後の一振りで得た手応えを、次戦以降につなげていく。(河原崎 功治)