J1首位を走る横浜FMは25日、勝ち点4差で4位につける柏との上位対決に臨む。チームは24日、横浜市内で練習を行い、U―21日本代表MF藤田譲瑠チマが取材対応。ともにクラブ30周年を迎える横浜DeNAベイスターズとのコラボイベントが予定される記念試合(16時キックオフ、日産ス)へ、「久しぶりのホームなので、しっかりと勝利を持ち帰りたい。多くの人にみてもらえれば」と意気込んだ。
藤田は今月1日~19日まで行われたU―23アジア杯(ウズベキスタン)では4試合に先発出場し、キャプテンを務めた。3位に終わり、悔しさを味わったものの中盤での落ち着いたボールさばき、力強いボール奪取と存在感。昨年のU―20W杯など、国際試合の中止が続いた世代でもあったため、開口一番は「楽しかった」と振り返る。
「何ができたかは思い浮かばない」と謙遜するが、他選手への声かけや、控え選手へのアプローチなど、新型コロナ陽性者も相次ぐ難しい状況の中で、主将として見せた立ち振る舞いは大岩剛代表監督も高く評価していた。藤田自身も「まわりを見る、チームの状態を見る回数は増えた」と、約3週間の長丁場でピッチ外の経験値も踏むことができたと実感している。
プレー面では欧州を舞台に戦う選手の技術など個の能力を感じ、「もっと近づく必要がある」。一方で、強度の部分は「J1で積み上げてきたものがある」と一定の自信を持って戦うことができた。再び横浜FMで勝利に貢献すべく、さらなる成長を誓った20歳。柏戦では強力な中盤との攻防をポイントの一つに挙げ、「マリノスの11人全員がボールに関わってサッカーができれば、真ん中の選手も狙いが定まらなくなると思う」と語った。
また、柏にはアジア杯でともに戦ったU―21日本代表FW細谷真大が最前線に立つ。今季J1で6得点を挙げるエースとの”パリ五輪世代対決”も「楽しみ」と心待ちにする。「スピードのある選手。フリーで走られてしまうと止めることは難しい選手なので、自分がマークにつくわけではないけど、スルーパスの出し手の選手をフリーにさせないように、前向きにさせないように抑えられたら」と簡単に仕事はさせない。
前節のG大阪戦(2〇1)で逆転勝利を収め、リーグ前半戦を首位で折り返したが、22日の天皇杯3回戦・栃木戦は0―2と敗戦。タイトルを一つ落とした。だが、DF松原健は「今日も有意義な練習ができた」とチームはすでに気持ちを切り替えていることを強調した上で、「後半戦一発目の戦いが上位対決。ここから波にのっていく上では非常に大切。天皇杯で負けてトーンダウンするのではなく、リバウンドメンタリティーが試される一戦になる」と気合を込めた。