吉原の“超万能”選手が8強へ導く。渡辺颯哉二塁手(3年)は全9ポジションをこなし、50メートル走6秒1の俊足も兼ね備える。昨秋には「足を生かしたい」と右打ちから両打ちへの転向にも成功し「一本出れば波に乗れるチーム。出塁が自分の役割」と宣言した。
野球脳も磨いてきた。石川雅俊監督(47)は「自分たちで課題を見つけてほしい」と週6日の練習メニューを全て選手に委ねる。バットの芯で打つ感覚を養うための「サッカーボール打ち」など独特の練習を積み、秋春連続で県大会へ出場と成果を示してきた。渡辺颯は「試合中も流れを読む力がついた」と白い歯を見せた。
夏では70年ぶりとなる8強が目標だ。「3年生9人は(入部から)一人も欠けずにやってきた。団結すれば必ず勝てる」。走攻守を生かす「頭脳」も身につけたリードオフマンが、吉原の快進撃を生む。
(内田 拓希)