◆天皇杯▽3回戦 甲府2―1札幌(22日・JITリサイクルインクスタジアム)
J1北海道コンサドーレ札幌はJ2甲府に1―2で逆転負けを喫し、18年以来4年ぶり(20年は不出場)の16強入りはならなかった。前半11分にMF菅大輝(23)のシュートがオウンゴールを誘い先制したが、同31、39分と失点。後半も28分にMF金子拓郎(24)がPKを失敗するなど反撃の糸口はつかめなかった。今季の残す戦いはリーグのみ。リーグ3連敗中の流れは26日のG大阪戦で断ち切るしかない。
苦境を象徴するようなシーンに、選手もサポーターも肩を落とし天を仰いだ。1―2の後半28分。自ら得たMF金子のPKは無情にもゴール右に外れた。J1撃破へ燃える甲府に渡した流れは最後まで取り返せず。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(64)は「後半は少し盛り返したが…。出足も運動量も甲府が上。彼らが勝利に値する試合」と振り返った。
リーグ3連敗の川崎戦(18日、2●5)から中3日。DF宮沢裕樹主将(32)、MF金子ら主力組に、MF田中宏武(23)ら若手も融合し流れを変えにいったが、かみ合わなかった。前半11分、MFガブリエルシャビエル(28)の左FKのこぼれ球からMF菅がシュート。相手に当たり先制したが、出足の速さで劣りセカンドボールは再三回収された。2失点ともサイドから会心の得点を与えた。勢いに乗る相手に後半も互角以上の戦いを展開された。フル出場したDF中村桐耶(21)は「リーグで勝てない中、ここでも負けて悔しさしかない」と代弁した。
タフな日程、けが人の多さもあるが、この日は「走り戦う」という生命線で上回られた。試合後は甲府まで駆けつけたサポーターから、ブーイングや「しっかりやれ!」など怒号も飛んだ。U―23アジア杯から帰国し、体調不良のシャビエルに代わり前半から出場のFW中島大嘉(20)は「1点も取れず責任を感じる。サポーターを幸せにしないと。次こそそれぞれがチームの力に」。6月最後のG大阪戦で負の連鎖は断ち、浮上の契機をつかみたい。
(川上 大志)