◆パ・リーグ ロッテ2―1西武(22日・ZOZOマリン)
スタミナを巧みに配分した。試合終盤、西武打線を封じたのは「剛の朗希」だった。1点リードの6回1死二塁、佐々木朗はオグレディを160キロで左飛。主軸を抑えて踏ん張ると、7回も直球とフォーク主体の王道投球でゼロに抑えた。7回96球3安打無失点、9奪三振で6勝目。「1か月勝ててなかったのでホッとしています」と自身4試合ぶりの白星をかみしめた。
3回で球数は50球。そのうち34球が直球だった。変化が見られたのは4番・山川から始まる4回。全10球のうち直球は2球だけで、スライダー4球、カーブ1球、フォーク3球と緩急を操る「柔の朗希」で3者凡退に抑えた。木村投手コーチが「変化球を交えないとスタミナ的にも長いイニングはいけない。中盤はそういう投球もしてもらいたい」と掲げていた通りの変身ぶり。試合の中で「強→弱→強」とメリハリをつけ、5回以降再び加速してギアを上げる体力が残っていた。
中6、7日での登板が5度続き、前回登板後に登録抹消。この日まで中10日の期間はリフレッシュに努めた。「血流を良くしたり食事、睡眠、そういうところを心がけています」。風呂にゆっくり入って7、8時間の睡眠を徹底。暑さで眠れないことがないよう「キンキンにしています」とクーラーで涼しく快適な空間を保つのが朗希流だという。「疲れがあった中でうまくコンディションを整えて投げることができた」と最速163キロで圧倒した。
これで今季、本拠地ZOZOでは完全試合も含め7登板で3勝無敗、防御率0・52、52回で78奪三振と無双。この日は風速1、2メートルで珍しくほぼ無風の中、圧巻投球で蒸し暑さを吹き飛ばした。奪三振114はパ・リーグトップを独走。防御率も1・56となり、パ1位のオリックス山本(1・55)に肉薄した。
「次回もいい投球ができるように頑張ります」。33日ぶりの白星を挙げた令和の怪物に再びエンジンがかかってきた。(片岡 優帆)