俳優の木村拓哉(49)が21日、都内で主演映画「THE LEGEND & BUTTERFLY」(大友啓史監督、2023年1月27日公開)の企画発表会見に登壇した。戦国大名・織田信長を演じる。
1998年のTBS系ドラマ「織田信長 天下を取ったバカ」以来2度目の信長を演じる木村は、壇上で“縁”を語り始めた。
「歴史上の人物にはたくさん魅力ある方がいらっしゃいますけども、特に織田信長さんには惹(ひ)かれる部分が多くて」。そう言うと、「たまたま木村家と織田家の家紋が同じで。五瓜(ごか)に唐花(からはな)という、織田木瓜(もっこう)という家紋で」と少し照れくさそうに明かした。幼少期には時代劇を見て「なんでうちのマークが映っているのか」と不思議に思っていたといい、「どこか特別な親近感がありました」と語った。
本作の撮影中、木村は信長の享年とされる49歳を迎えた。「本能寺の変のシーンの撮影中に監督がまじまじと見てきて、『まさしく全く同い年の時に同じ状況になったんだね』と」。そして440年前のちょうどこの日は、本能寺の変が起きたとされる日。「感慨深いですね」と何度もうなずいた。
「東映70周年記念作品」と銘打ち、総製作費は20億円。「コンフィデンスマンJP」などで知られる古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛けた。敵対する美濃から“政略結婚”で嫁いできた濃姫(綾瀬はるか)との夫婦関係を軸に、これまでの作品でカリスマ性、残虐性が強調されてきた信長をひとりの人間として描く。木村は「遺伝子といいますか、今生きる僕たちと必ずつながっている部分があると思いますので。それを感じ取ってもらえれば」と手応えを口にした。(田中 雄己)
◆綾瀬はるか、木村との共演は3度目
信長の正室・濃姫を演じる綾瀬はるか(37)は「今までに見たことのない信長と夫婦の物語が描かれている。どこかコミカルで、でもシリアスで。戦国時代を生きた2人の生きざまが、一つになっていく」と語った。木村との共演は、11年のTBS系ドラマ「南極大陸」以来3度目となるが、夫婦役は初めて。木村の印象について「楽しかったですよね。アクションシーンとかもあって、運動神経がよいので」と笑いかけると、木村が「それ、自分でしょ」とテンポ良いやり取りで、抜群のコンビネーションも披露した。
◆あらすじ 「大うつけ」と呼ばれた尾張の織田信長のもとに、「マムシ(斎藤道三)の娘」と呼ばれる美濃の濃姫が嫁いできた。田舎者で世間知らずの信長と、高い教養と父譲りの激しい気性を持つ濃姫。敵対する隣国同士の政略結婚という最悪の出会いから始まった夫婦生活は、一触即発の連続だった。そんな時、今川義元の大軍の攻撃を受けた信長は絶望しかけるも、濃姫と戦術を練り、奇跡的な勝利を収める。強い絆で結ばれた2人は天下統一という夢へと向かう。